昔話:私の幼少期 3 ページ46
暗くて狭い部屋の中、思い描くのは緑豊かで暖かい森と優しく微笑むお母様…
表情豊かだったはずの私はもう笑顔を見せることはなかった。
そうしていつしか、私は暗く狭い場所を好まなくなった。
《実験》。それは、最強のマフィアを作るためのものだった。
幼い頃から必要以上のスペックを教え込み、どこまで凄い人間ができるか。
事件は起きた。
それは《水の中でも長時間耐える》という実験。
《実験》は、お父様であり、TWT1代目当主でもある先生と、1代目ファミリーの一部の人達で行われた。
私は両手を縛られ、檻のような鉄格子の箱の中に入れられ…大きな水槽の中に入れられた。
いくらあがいても上は鉄格子。横も下も鉄格子。
もがけばもがくほど、肺の中の酸素は少なくなる一方。
そして…目の前が真っ暗になり、気づくと薄暗くて狭い私の部屋の中にいた。
それ以来、私は潜ることにも恐怖を抱くようになった。
その《実験》を境に私は半年ぶりに家に帰らされたのだ。
そして、お母様の姿を見て、泣きじゃくり…お母様は手紙を残して先生と駆け落ちした。
今思うと、1代目ファミリー達が私を気の毒に思ったのだろう。
それに、お母様が残した手紙のとおり、先生…お父様が私を恨むのは仕方がなかったのかもしれない。
____
貴「もし、またお父様と会えたなら…ゆっくりお話しして、全てを受け止めて…そして、恨んでいながらも、私を殺さずにいてくれた事を感謝したいな…」
南伊「爺ちゃんが…そんな事をしてたなんて…全然知らなかった…」
ロヴィ君が申し訳なさそうにしている。
…これは、誰も知らない、誰にも言ったことがないんだけど…
貴「実はね、その《水の中で長時間耐える実験》が終わった後、そっと目を開けた時に先生は涙を流してたんだ。」
その時に思った。
やはりこの人は私のお父様だって。
南伊「…A…爺ちゃんの事、信じてくれてありがとうな…」
ロヴィ君が泣きそうな、微妙な表情をした。
貴「…暗くて狭いところや、潜るのが平気になるのはまだ先だと思うけど…それでも私は逃げないから。私は平気だよ!」
ピピピッ
加『ひぐっぐすっAちゃん…ごめんね…手違いでAちゃんのお話、ファミリー全員に流れてた…ぐすっ」
なんですと!?
貴「…マシュー…後で仕返しするからね!…ロヴィ君、この鍵、早く菊ちゃんのところに持って行こう…」
南伊「お…おう…(怖ぇ!顔怖ぇ!マシュー…気の毒だな…)」
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カルナ(プロフ) - ぷにもちさん» 私も明日更新しますね! (2016年5月6日 22時) (レス) id: 265914d7c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷにもち(プロフ) - カルナさん» いえいえ!大丈夫ですよ♪私も更新完了です!(*^^*) (2016年5月6日 17時) (レス) id: 697ed10232 (このIDを非表示/違反報告)
カルナ(プロフ) - ぷにもちさん» すみません!更新完了しました!おそくなってすみません!! (2016年5月6日 7時) (レス) id: 265914d7c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷにもち(プロフ) - カルナさん» わかりましたでおじゃる!! (2016年4月25日 22時) (レス) id: 697ed10232 (このIDを非表示/違反報告)
カルナ(プロフ) - ぷにもちさん» OKです!私は更新が結構遅くなると思います… (2016年4月24日 18時) (レス) id: 265914d7c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷにもち | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/punitaria_
作成日時:2016年3月22日 18時