昔話:私の幼少期 ページ44
…あれは、お母様と人目につかない森に暮らして…少し慣れたあたりだったかな…
当時私は3歳の誕生日を3日後に控えていた。
朝起きると、見知らぬ人が家にいた。
その人は、お母様と仲良くお話ししていた。
貴「…?」
「…あら、起きたのね。おはよう、A。…この人は…貴方のお父様よ。」
お父さん?
私、お父さんいたんだ…ずっと私にはお父さんがいないと思ってた…
おずおずとその『お父様』を見ると、その人はニコリと微笑んだ。
「おはよう、A。…顔を洗っておいで。」
言われた通り、顔を洗ってリビングに戻ろうとしたらお母様との会話が聞こえてきた。
「…じゃあ、その通りにする…それでいいね?」
「…はい。ではAは…」
「俺から全てを話しておく。じゃあ…誕生日の日に。」
お父様がドアを開けて出てきた。
貴「…あ…あの…」
「また来るから、それまでお母様と仲良く暮らしてなさい。」
優しげに言ったその声とは裏腹に、目はまるで汚物を見るかのようだった。
お父様が玄関を出て行ったのを確認すると、すぐに私はお母様に飛びついて抱きしめた。
貴「お母様!お母様、あの人…お父様…なんか可笑しいよ?怖いよ…!」
「あら?何を言っているの、A。あの人はとても優しい人よ。そうね…男の人を見たことがなかったから怖いのかしら…?」
その夜、お母様は私に『優しいお父さん』という本を読んでくれた。
「そして、お父さんは優しく子どもたちを抱きしめたのでした。…おしまい。」
貴「…私のお父様もこのお話しみたいに優しい人なのかな?」
「きっとそうよ。…さぁ、今日はもうおやすみ。愛しいA」
お母様は額にキスをして、布団を優しく上からかけてくれた。
そして誕生日当日。
「A!今日は何の日かしら?」
貴「私の誕生日!!」
「正解〜!では、お母様からAにプレゼントがあります!」
お母様に連れられて、外に出て切り株の上に座った。
お母様は向かいの切り株の上に立ち、いつもの歌を歌った。
そして歌が歌い終わり、お母様は呪文を唱えた。
「私は魔法の使い手A。正しき血をひくもの。不思議な力よ、我の思い通りに動け。」
「…緑の魔法。木々よ!今日という日を祝い、歌え!白の魔法、青の魔法!今日という日を祝福し、奇跡の橋を!」
お母様がそう言うと、森の木々たちは葉を揺らして歌いだし…
貴「わぁぁ!!!」
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カルナ(プロフ) - ぷにもちさん» 私も明日更新しますね! (2016年5月6日 22時) (レス) id: 265914d7c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷにもち(プロフ) - カルナさん» いえいえ!大丈夫ですよ♪私も更新完了です!(*^^*) (2016年5月6日 17時) (レス) id: 697ed10232 (このIDを非表示/違反報告)
カルナ(プロフ) - ぷにもちさん» すみません!更新完了しました!おそくなってすみません!! (2016年5月6日 7時) (レス) id: 265914d7c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷにもち(プロフ) - カルナさん» わかりましたでおじゃる!! (2016年4月25日 22時) (レス) id: 697ed10232 (このIDを非表示/違反報告)
カルナ(プロフ) - ぷにもちさん» OKです!私は更新が結構遅くなると思います… (2016年4月24日 18時) (レス) id: 265914d7c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷにもち | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/punitaria_
作成日時:2016年3月22日 18時