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「Aー、一緒に食べよー」
昼休み、そらが大きな声で言う。
そんなに大きくなくても聞こえるから!恥ずかしい!
「Aさん」
「あっ、えつくん」
今日もとても格好いい。
「昼休みにごめんね。委員会のことで話があったんだけど…
あっ、彼が噂の転校生?」
えつくんの視線の先を見ると、私の席でつまらなそうに教科書を眺めるそらがいた。
「まあ…」
「仲いいんだね」
微笑むえつくん。
「なっ…なんで?」
「あれ、Aさんの席でしょ?」
聞かなくてもわかることを聞いてしまった…。
頷くと、
「待たせちゃ悪いね。ちょっとこっち来て」
えつくんと話をして、教室に戻る。
えつくんは、そらのこと気にしてくれたみたいだけど…
もっと、えつくんと話したかったな…なんて。
「遅い」
私に気付き、不機嫌そうに言った。
「先に食べてて良かったのに」
「Aと一緒に食べたかったから」
なんて、可愛いことを言う。
「ごめん、委員会のことでちょっとあって」
「ふーん。それだけ?」
それだけってなんだよ…何を言わなきゃいけないの。
「まあいいや。早く食べよ。
いただきまーす」
卵焼きを頬張るそら。
そのお弁当、自分で作ったのか…。
美味しそう。
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作者名:明流歌 | 作成日時:2017年5月21日 8時