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先生が入ってくると、より騒がしくなる教室。
「静かに。今日からこのクラスの仲間になる人を紹介する。入っておいで」
「失礼しまーす」
そう言って入ってきたのは、チャラそうな人。
ゆるくセットされた髪、着崩された制服。
女子にモテそうな感じ。
すでに、クラスの女子は騒いでる。
そのチャラそうな彼は、黒板に自分の名前を書いた。
「大木空です。よろしくね」
どこかで聞いたことあるような名前。
いやでもこんなチャラそうな人、知り合いにいないし。
気のせいだと思いながら彼を見ると…
「……」
目があった。
なぜこっちを見てたんだ!?
いや、これも気のせいだろう。そうだろう。
大木くんは、窓側の席へ座った。
周りの女子は質問攻め、離れた女子は羨ましそうに眺めている。
そりゃあ、私だって格好いいと思ったけど。
私は真面目な人がいいもん。
あんなに笑顔振りまく人を、チャラいと言わずになんと言うんだ。軽いか。
とにかく、私は男としては苦手だな。クラスメイトならまだしも。
チャイムが鳴り休み時間になると、大木くんはあっという間に囲まれていた。
「イケメンだよねー」
りっちゃんが、私の元へ来て言った。
「そうだねー。りっちゃんは行かないの?」
「Aが行くなら行こうかな」
答え、知ってるくせに。
「行かない」
「言うと思った。苦手そうだもん」
流石りっちゃん。私のことをよくわかってる。
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作者名:明流歌 | 作成日時:2017年5月21日 8時