Prisonerworld【小説】

驚きという幸せ【守】【一颯】 ページ17

考え事をして歩いていたからか、はたまた彼が気配を隠すのが上手になったのか。いや、どちらもだろう。
廊下で待ち伏せして驚かせる、そんな古典的なイタズラをして来た彼。

「湊〜…！！」
「あれ、颯じゃん。僕のイタズラに引っかかるなんて珍しいね？」

いつもは驚かせようとしたら避けるのに〜、と言ってイタズラをして来た張本人…龍神湊は中々に気持ち悪い絵を描いた布越しでにぃっと口角を上げる。

「しょーがないだろ〜？俺考え事しながら歩いてたし、湊ったら気配遮断上手くなってるし？どこで覚えて来たそんなの〜！」

ちょっとむくれながら言いつつも、湊の成長が嬉しくてうりうりと布越しに頭を撫でると、ちょ、やめ、やめろ！！と湊は腕をじたばたさせて抵抗するが、その抵抗は虚しく失敗に落ち、結局湊は諦めて撫でられていた。うん、よしよし。

「この気配遮断は、颯にバレないように頑張ったんだよ…言わせんな、バカ。」

俺を驚かせる為に努力した、湊が。その事実が堪らなく愛おしくて、よく頑張ったな〜〜っ！！という声とともに湊にガバッと抱きつく。湊はまたしてもばーっ！！やめろ！！やーめーろーっ！！と抵抗するが、流石に体力馬鹿な俺には勝てなかった。
1分くらいよしよーしと撫で回した後、そっと離れると、もー、暑いんだからやめろよ！全く…と呆れている湊が居たが、ごめんって、お礼と言ってはアレだけど、一緒にイタズラでも考える？と言ってやると、湊はま、それで許してあげる。と言ってにぃっと笑うもんだから、また頭を撫でたくなる衝動を押さえ込んで、ありがとう、と笑う。
…やっぱり、これまでの毎日を見直すと、湊も素直になったよなあ、と思う。まあ俺は素直な時の湊もツンツンしてる時の湊もどっちも微笑ましいし、いいんだけどね。

ほぼ毎日戦いが起きるこんな世界だけど、誰かと一緒に居られるこの世界を、時を、今を、明日を、これからを、俺はずっとずっと大切にしたい。
こうして一緒に居てくれる湊も、レボディショナルに居るとしても大親友で幼馴染の四温も、家族同然のガーディアの仲間も。大丈夫、俺が全部守ってみせるよ。

嫌な予感 【守】【夕凪蝶葉】→←暇なのです　【守】　【龍神　湊】

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