Prisonerworld【小説】

お遊びで【白茨雪】 【攻】 ページ11

「おはよ……」
布団から出る。
鳥は囀っていて、風は吹き通っている。
清々しい朝だ。

思えば、これまではまだ平和な生活だった。だがそれは束の間であり、そう長くは無いだろう。

ずっと平和なままでいいのに。

そう考えながら部屋から出て、食堂へ進む。

「あ」
たまたますれ違った絢先輩と、知らない先輩に視線を送った。



……話を聞く限り、どうやら食堂へ行くようなので、一緒に行きお遊びついでに能力をつかって勝手に尾行する事へ。



「なぁ、さっきから誰かつけてきてないか？」

「気にしない気にしなーい！味方だから大丈夫だよー！」

「全くお気楽だな」

「それが取り柄だ！」


疑いの目を向けるものの、絢先輩に気を取られている先輩と、楽観的で気楽な絢先輩。
意外にも面白いコンビだった。

それから何の進展も無く食堂へ。まあ良い感じだけどつまらなかったので、結局驚かす事に。

「何食べよーかな……」「どうすんだ？」


今のタイミングで……

「わぁ！」

「うわっ、ビックリした〜って、雪ちゃんか！驚かさないでよ〜」

「うぉっ……て、誰？」


思いの外二人はつまらない反応だった。

それから、かるーく自己紹介して、驚かしたお詫びに食堂で欲しいもの奢ったりしていた。
あんまり、経緯は話したくないなーとか内心思いながら、二人の楽しそうな会話を、遠目に刻一刻と眺めていた。

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