大切な時を刻んで (緑) ページ28
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｢それまだつけてくれてるんだ？｣
｢ん？ 気に入ってるからね｣
｢そっか、ありがとう｣
Aの腕には昔、大学受験の時に俺が贈った腕時計がずっと定位置としてそこにある。
もう９年くらい前なのに、大切に使い続けてくれてることが嬉しくて笑っていると、隣から両手が伸びてきてセットしたての髪をくしゃくしゃにされた。
｢なになに〜笑っちゃって可愛いな！｣
｢や、やめろバカ！｣
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Aは勉強がはっきり言えば得意じゃない。
頭を使うより身体を使う方が得意って奴だから、大学受験を控える頃になるとずっと頭を抱えていた。
｢阿部ちゃん、年下に聞くのはおかしな話だけどいいかな？｣
｢なに？｣
｢ここの問題わかったりする？｣
教科書とノート 筆箱を持ってる辺り、もう俺に教わる気満々だよな。
俺は俺で高校の宿題をしていたけど、受験生のAが年下の俺を頼ってくれたことが嬉しいから、分かる範囲で教えてあげたいと思った。
｢……いやこれ高一レベルじゃん｣
｢先生がね、ここからやり直せって｣
｢それ受からせる気があんのか｣
｢受かる自信すらないけどな｣
あははは！って笑ってる場合じゃないって誰かこのおバカに教えてやってほしい。
とりあえず分かることはAが理解できるまで何度も繰り返し教えてみる。
いつもなら誰かしらAにちょっかいをかけてくるけど、さすがに受験生と分かってるから邪魔は入らなくて
こんな長い時間Aと２人で肩を並べてることに今更緊張した。
……手汗やばいな。
｢さすが阿部ちゃんだ。この私が理解してるわ！｣
｢Aの場合は覚える気があればすぐに覚えられよ｣
｢そうかな？ うん、頑張るか！｣
｢大学受験することにしたんだね？｣
ずっと迷ってるみたいだったから。
Aは夢に迷いがない。
絶対にアイドルとしてデビューするって決めてるから、大学受験はする気がないって言ってたのに。
｢パパがね、色々経験は積んでる方がいいよって言うから。やれることはやっておこうかなって｣
｢そっか｣
｢ちゃんとした理由がないこと怒る？｣
ノートから目を離すことなく聞くA。
｢阿部ちゃんは真面目だから、目標も無くただ大学行こうとする私のことどう思うのかなって｣
｢俺は俺だし、AはAじゃん。苦手なことを克服しようとしてることがまずは偉いなって思うよ｣
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ゆきんこ(プロフ) - まり姉さん» ありがとうございます。訂正しました。 (2021年9月17日 11時) (
レス) id: e6ed62ce5f (このIDを非表示/違反報告)
まり姉(プロフ) - ページ42のとこで10門10問ってなってますが10問10答ではないですか？？ (2021年9月17日 0時) (レス) id: 632dd79117 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - れいこさん» はじめまして！一気読み有難うございます!!過去と現在を行き来しているので読みにくいかと思ってたところで、読みやすいと言ってもらえて安堵しております。Twitterフォローも有難うございます！こちらの番外編もありますので是非楽しんでください！ (2020年10月10日 21時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)
れいこ(プロフ) - 初めまして。とても読みやすくてドキドキワクワクしながら一気に�靴泙覇匹鵑任靴泙い泙靴拭Ｂ海�も楽しみにしてます。あと、Twitterもフォローさせて頂きました。これからもよろしくお願いします (2020年10月10日 20時) (レス) id: 73b557418b (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - にゃんこさん» 楽しんでもらえて良かったです(^^)はい！大丈夫ですよ☆応えられるリクエストならできる限り応えたいなと思ってます！！ (2020年7月24日 9時) (レス) id: 28b6095af7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆ゆきんこ☆
| 作成日時：2020年7月2日 15時
