Precious you *changmin* 18 (ページ43)

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甘ったるい痛み～琴美ページ43

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「さて・・。じゃ、そろそろ帰るか。」

「婆ちゃん心配してるぞ？」

立ち上がった亮ちゃんに続いて

あたしも立ち上がった。

「・・うん。」

「家まで送ってくよ。」

ほんとは家までなんてひとりで帰れたけど

「うん・・ありがと。」

あたしは素直に頷いた。

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ふたりで並んで歩きながら

「あ。そうだ。」

亮ちゃんは思いついたように言う。

「お前、マネージャーやんねぇ？」

「は？あたしが？！なんで？」

「部活決めてないんだろ？だったらいいじゃん。」

「お前がマネージャーなら俺も気兼ねなく頼めるしさ。」

「あのね。受ける前からそんな先のこと考えてどうすんのよ。落ちるかも知んないじゃん。」

「あんな、定員割れの高校。落ちるやつなんていねーよ。」

「そりゃ、そうだけど。」

亮ちゃんは満面の笑みで

あたしに向って言った。

「なぁ。琴美。」

「一緒に行こうぜ。甲子園・・。」

「俺が連れてってやるよ。」

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見慣れてるはずの亮ちゃんの顔に

何故か

胸の奥がトクンと震えた。

トクトクと打ち出した心臓の音が

そのうちドキドキに変わって・・

....え？

やだ

なに？

きゅっと縮んだ心臓に

甘ったるい痛みが走る。

なんなの？

この初めて感じる感覚は・・。

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「おい。行くぞ？」

ぼーっとしてるあたしに

振り向く亮ちゃんは不思議そうな顔。

「あ・・。うん。」

慌てて後を追いかけた。

「なぁ・・。」

「ん？」

「秘密基地ってまだあるかな。」

「あ～。どうだろうね。もう何年もいってないからなぁ。」

「明日、確かめに行かねぇ？」

「あ。いいね。行こうっ！」

「じゃあ、明日放課後に待ち合わせすっか。」

「うんっっ！」

元気に返事をしてから思う。

....なんだろ。

今日は妙に素直なあたし。

変なの・・。

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ほおっと息をついて空を見上げた。

泣いてスースーした目に

満天の星が眩しかった。

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....そういえば

この間買った色つきリップ

どこにしまったっけ。

ふと

あたしはそんなことを考えた。

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