奥さんの話 ページ5
.
....そんな。
突然聞かされた訃報に
言葉を無くしてしまう。
愕然とするわたしに
奥さんは続けた。
「持病はあったけど身体は丈夫な人だったのよ？」
それが
風邪をこじらせた肺炎が元であっけなく。
仕事も辞めて
やっとゆっくりできるって
思ってた矢先だったの。
今年は
世界一周の船旅に
連れていってくれる約束してたのに。
ほんと
がっかりよね・・。
奥さんがあんまり
あっけらかんと言って笑うから
泣くのも忘れてポカンとしてしまった。
だけど文句を言う奥さんの表情は優しい。
きっと
仲のいい夫婦だったんだろう。
「あらやだ。ごめんなさい。」
「つい愚痴っちゃった。」
奥さんは
うふふと笑って誤魔化すように
紅茶を一口飲んだ。
だけど
それからカップを置くと
す..と背筋を伸ばして
急に真面目な顔になった。
「実は今日。あなたにお礼を言いに来ました。」
「主人があなたにありがとう・・って。」
「人間も悪くないなって思えたのはあなたのお陰だって。」
・・お礼？
キョトンとしてしまう。
確かに
おじいちゃんとは
よく話をした。
だけど
それはいつもわたしの愚痴を聞いてもらったり
元気づけてもらったりで
逆にお礼を言わなきゃならないのは
こっちのほうなのに・・。
.
戸惑うわたしに
奥さんはやわらかく笑った。
「主人はほんとうにあなたに感謝していたわ。」
何かしてあげたいって
会社の採用試験にまで口出ししたりして・・。
....採用試験。
採用試験って・・？
言っている意味が分からない。
だって・・
「あのぉ。わたし。」
「田中さんと知り合ったのは会社に入ってから・・ですけど？」
ﾌﾌ..やっぱり。そう呟いて奥さんは
優しい瞳をわたしに向けた。
「入社試験の日。」
「あなた・・誰かを助けませんでしたか？」
.
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さっちゃん - 楽しみに待ってます（＾∇＾） (2014年4月18日 6時) (
レス) id: 0fe813b85e (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - とりあえずすっきりした気持ちではありますが、続きはすっごく読みたいです（笑）何章でもお供させていただきます＼(^o^)／ (2014年4月17日 20時) (レス) id: c1415a3808 (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(cocoro)(プロフ) - 気長にお待ちしてますね(*´ω｀*) (2014年4月17日 18時) (レス) id: 80d6fc02d0 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 待ってます。(*^^*) (2014年4月17日 18時) (レス) id: 9b7f90ea80 (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - 楽しみに待っています^_^ (2014年4月17日 5時) (レス) id: d52f03b57f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sigasiga
| 作成日時：2014年1月8日 12時
