送別会 ページ8
.
待ち合わせの焼き鳥屋の扉が
ガラッと勢いよく開いて
高橋君が店に飛び込んできた。
「ごめん！藤本！」
カウンターにいたあたしを見つけると
タクシー乗ったら渋滞にハマっちゃってさぁ・・
なんて
言い訳しながら急いで隣の席に座る。
長期出張が終わり
もうすぐアメリカに帰っちゃう高橋君。
今日はふたりっきりの送別会なんだ。
「おそいよ、もう〜！」
「喉カラッカラに渇いてたから先に飲んでたよ！」
ジョッキ片手に
わざとふんって怒ったフリをすると
「なんだ。全然元気じゃん。」
「今日は置いてきぼりにされる女のシケタツラ肴にうまい酒でも飲もうと思ってたのによ。」
会ってそうそう高橋君の憎まれ口が炸裂し
あたしは
今度は本当にムウっと頬を膨らませた。
.
「あのね。」
「言っとくけど、置いてきぼりじゃないからね。」
「あたしが待ってるって言ったの！」
「ふぅ〜ん。」
「俺は別にどっちでもいいけど。」
ムキになって言うあたしを高橋君は軽くスルー。
そして
豚串にかぶりついて「うまっ！」って舌鼓。
....ったく。
「でもさ。部長直々のご指名で海外赴任なんて。」
「帰って来たら役職ってのもアリなんじゃねぇの？」
「あ〜。うん。」
「みんなそう言ってる。」
「やっぱ。そうなのかなぁ・・。」
「・・だと思うけど・・。」
「そっかぁ・・。」
....２０代で役職なんて
柏木部長以来だってみんな言ってた。
それも、部長より早いかも・・って。
やっぱ、シム君ってすごいんだ。
ニヤケた顔を抑えられないあたしを
チラッと横目で見た高橋君は
喉を鳴らしてジョッキの残りを一気に空にすると
面白くなさそうに言った。
「お前の男が仕事出来るヤツだってのは十分わかったよ。」
「だけどなぁ〜。」
「女、置いてくってのはどうかなぁ〜。」
「俺なら絶対無理矢理にでも連れてくのに・・。」
.
やっぱり意地悪な高橋君は
あたしが一番言われたくないことを
サラっと言ってのけた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 422人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ｍｉｋｉ(プロフ) - これってシム君を試すための芝居ですよね？そうであってほしい〜〜＾＾； (2013年9月1日 20時) (
レス) id: 45aa7ae271 (このIDを非表示/違反報告)
ﾕｯｷｰﾕﾁｮﾝ(プロフ) - 高橋くんに付いてってシム君が日本に帰ってくるまでNYでスキルを磨くってプランも悪くないな〜（笑）と思いはじめる不謹慎きわまりない私ｗてかこの女性は私によく似た高橋君の元カノだったり…しないですよね（笑） (2013年8月31日 17時) (携帯から) (レス) id: d67c9f65bb (このIDを非表示/違反報告)
なべっち(プロフ) - え〜っ 高橋君 どんな手使ったの マジなの？ 私チャンミンしか愛せないよ。こんな展開でブチ切りした sigasigaさん もう次章を異常に待ってます。笑 更新頑張って下さいね。 (2013年8月31日 13時) (レス) id: ba21393946 (このIDを非表示/違反報告)
ﾕｯｷｰﾕﾁｮﾝ(プロフ) - sigasigaさん お返事ありがとうございましたo(^-^)o 私も天上席…帰りの新幹線に間に合うか心配だったので泣く泣くスタジアムを後に…最後の花火はスタジアム外から見ました( ；∀；)そしたら１本前ののぞみに超新星が!!! (2013年8月31日 7時) (携帯から) (レス) id: d67c9f65bb (このIDを非表示/違反報告)
ぷりりん(プロフ) - はぁぁぁ。コメ返かぁ(^_^;) もう続きを読むのが恐くて、更新通知タップするの躊躇してました(>_<) 心臓に悪いわぁ。 (2013年8月31日 0時) (レス) id: 445a842822 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sigasiga
| 作成日時：2013年7月5日 6時
