ガラスの中の君 (ページ3)

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俺は原宿にあるレコード会社がやってるボーカルスクールに通っていた

Aはいつも文句も言わず、俺のレッスンが終わるまで待っててくれる

もちろん寂しい思いをさせてるのは分かってたけど、たぶん優しくて心の広いAに俺自身が甘えてたのもある

『次、何かオーディション受けるの？』

VOCAL BATTLE AUDITIONの二次審査で落ちた俺は、この数年すっかり自信なくしてて…
でも夢を叶えるためにもっと努力しなきゃいけないし、こうやって誰よりも俺を心配し、応援してくれてるAの為にも前を向かなきゃって必死にもがいてた

「うーん…いいのがあれば受けたいけど、今のところまだかな。Aは？勉強進んでる？笑」

『…進んでない。笑だってさ、難しいんだもーん。試験も受かる気がしなーい。笑』

「受かる気がしなーいじゃねぇよ。笑俺も応援してるからAも頑張ろ。なっ？笑」

『ほゎーぃ。笑』

「よしよし、いい子。笑」

そう言って俺はAの頭に手を乗せた

Aは看護士をしながら助産師免許を取得する為猛勉強中

全く違う夢だけど、俺達はお互いの夢を尊重し、そして応援し、いつか夢が叶うことを信じてた

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