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345話 ページ28

(この部屋は広い……さっきの廊下は狭すぎて、動きにくかった。でも、ここなら……)



 ザックとAの死闘の最中、レイは部屋の中を見渡す。大部屋、障害物はなく、自由に動くことができる。


 Aは銃を使っていて、ザックはカマを使っている。そして、二人の距離は開いたままだ。


 銃をもった相手に対して、ナイフやカマなどの刃物を使う場合、相手との距離が近ければ近いほど刃物が有利になり、遠ければ遠いほど銃が有利になる。そして、Aとの距離は、有利とは言えない。だが、不利ともいえない。


 Aはナイフを持っているが、ザックと純粋な力比べをしたならば、確実にAが負ける。Aもそれをわかっているからこそ銃を使っているのだろう。だとしたら、刃物を扱うザックが有利な距離にまで接近するしかない。


 レイは息を吸うと、喧騒の只中のザックに届くほどの大声で叫ぶ。



「ザック! 迂回しながら走って、距離をつめて!」


「っつ……!」



 ザックはAに一直線に突っ込むのではなく、大きく迂回しながらAとの距離をつめる。ザックも相当な俊足だ。素早くAに近づくと、そのカマを振り抜く。

 Aの方はというと、突然の反撃に慌ててナイフでザックの攻撃を防いだが、衝撃に耐えきれず、その手の中からナイフが弾き飛ばされた。Aは目を微かに見開くと、体に装着したナイフホルスターに手を伸ばす。新たなナイフで、ザックに対抗するために。


 ザックはそれを見逃さず、威嚇するようにもう一度カマを振り抜いた。Aの頬にほんの微か、細く傷が入って赤色が滲む。


 しかしAは怯まない。接近戦では不利と見たAはとん、とんと軽い身のこなしで後ろに飛んで距離をとる。ナイフの補充をやめて、もう片方の手に持ったままだった銃のその銃口をザックに向けた。そして放たれた銃弾はザックの頬を抉った。ザックに隙を作らせるための威嚇の弾丸。


 確かな痛みにザックは顔をしかめる。が、ザックも怯むことはない。カマを強く握りしめると、Aに向かって駆けだした。Aはそれを迎え撃つために銃をかまえ、引き金に手をかけた。

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リア(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!二度入ってしまったことはお気になさらず!一気読みしてくださったと聞いて嬉しい気持ちでいっぱいです。かなりゆっくりの更新となってしまっておりますが、今後もぜひ読んでくださると嬉しいです! (2021年2月15日 22時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
あや - すみません、二回も同じ文が入ってしまいました(汗) (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 思わず一気読みしてしまうほど面白いです! 次の展開にドキドキです! 更新頑張ってください!  楽しみに待ってます! (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 思わず一気読みしてしまうほど面白いです! 次の展開にドキドキです! 更新頑張ってください!  楽しみに待ってます! (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 黒白の猫さん» コメントありがとうございます!まさか私の書いた文章でそんな風になって貰えるとは……!?(?)ここからの展開もお楽しみいただけると幸いです! (2020年10月13日 19時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2020年7月13日 20時

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