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343話 ページ26

「そのわりにはさっきは随分躊躇してたじゃねぇか」


「……あぁ、本当に。人間は殺さないといけないのに、躊躇してしまうだなんて。これじゃあ、わたしはまた……」



 ザックの言葉に返事を返しながらも、Aの声はまるで独り言のように小さくなっていく。思考の海に沈んでいく度に、Aの瞳はさらに色を失っていく。



「独り言なんか言ってんじゃねぇっっ!!」



 ザックがカマを振りかざしてAに飛びかかった。Aはそんなザックを一瞥すると軽やかな身のこなしでその大ぶりの攻撃をかわしてみせた。



「危ないよ、ザック」


「うるせえ!」



 ザックが再びカマで攻撃すると、Aは後方に大きく飛び、まだ着地もしないうちに銃を抜いて照準を合わせ、発砲。威嚇のために放たれたらしいその銃弾はザックの足元を穿った。ザックを怯ませているうちに安全に着地する。


 Aは憎悪に顔を歪ませて、うわごとのように何度も呟きをこぼした。



「……殺す、殺すんだ……人は、殺さないと……」



 荒く息を吐くと、Aは獣のようにギラギラとした目をザックに向けた。その目はザックを見ているようで見ていない。どこか、遠くの虚空。────例えば、忌まわしき過去を見つめているようで。



「ザック……今度こそ、殺す」


「……やってみろよ」



 ようやくAの目がザックの方を見た。Aの目は憎しみに満ちて、そんな憎悪を向けられたザックは不敵に笑う。


 燃え上がるような目は再び銃を構えた瞬間、酷薄に凍りつく。感情を欠くその目は、銃の照準機のように無機質で。再び、Aが殺人鬼となった。

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リア(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!二度入ってしまったことはお気になさらず!一気読みしてくださったと聞いて嬉しい気持ちでいっぱいです。かなりゆっくりの更新となってしまっておりますが、今後もぜひ読んでくださると嬉しいです! (2021年2月15日 22時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)
あや - すみません、二回も同じ文が入ってしまいました(汗) (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 思わず一気読みしてしまうほど面白いです! 次の展開にドキドキです! 更新頑張ってください!  楽しみに待ってます! (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 思わず一気読みしてしまうほど面白いです! 次の展開にドキドキです! 更新頑張ってください!  楽しみに待ってます! (2021年2月4日 16時) (レス) id: e816ef2773 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 黒白の猫さん» コメントありがとうございます!まさか私の書いた文章でそんな風になって貰えるとは……!?(?)ここからの展開もお楽しみいただけると幸いです! (2020年10月13日 19時) (レス) id: d0c52e385f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2020年7月13日 20時

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