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433話 ページ20

静かに、ザックが目を閉じる。レイの言葉の意味を噛み締めて。


「俺に、嘘をついたのか」


「……うん、そうだよ、ザック……」


 今では、ザックの声が僅かに震えていた。困惑と、怒りと、動揺を含んで静かに、微かに震えている。
レイの声は、もう震えない。


「ザック───ねぇ、まだ私の神様でいてくれる?」


 レイの言葉に、ザックは強く、強く拳を握りしめた。同じくらいに強く、奥歯を噛み締めて、喉をついて出そうになっであろう言葉を飲み込んだのだろう、肩までをも震わせながら、なおもザックは冷静を装った声を出す。


「……お前は自分のことを俺頼みにする気かよ……。俺は……俺は───お前の神様なんかじゃねぇよ」


「……………!」


 ザックがそう言い放った瞬間、レイの顔はわかりやすく引きつった。
 ザックは堪えるような表情のまま顔を背け、レイは引きつった顔のまま目を見開いてザックを見つめている。


「素晴らしい、その通り、ご名答! さぁレイチェル、これで君はいつもの君だ! 望みは僕に言うんだ、なんでも用意してあげる! ……そしてザックとA、君たちはもう行ってもいい」


 勝ち誇ったように叫ぶダニーに、ザックが顔を上げた。表情を歪ませて、ダニーに掴みかかろうと踏み出しかける。


「……おい、好き勝手言いやがって」


「待って」


「───レイチェル?」


 ザックを止めたのは他ならぬレイであった。うつむいたまま、ソファに座って膝の上に置いた拳をぎゅっと握りしめている。
 そのまま、堪えるようでありながら悟ったような声で、言葉を続けていく───


「───私のしたことは穢れている、罪を犯した、それは知っていたの───でも、ダメだった。罪だと知っているだけで───どうしてそれが悪いことなのかわからないの」


 紡がれていく言葉に、困惑の音が混ざりこんで熱を帯びる。Aもザックも、はるか地下から歩んできた道のりの中で聞いたことがない声だった。


 ザックは理解の範疇を越えたレイの思考を理解できずに混乱し、Aは自身とどこか似ている少女の姿に動揺する。

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リア(プロフ) - ましゅまろぉさん» はじめまして!コメントありがとうございます。検索では結構埋もれてしまっているはずなのに、見つけてくださって光栄です。応援もいただけてとっても励みになります!ご期待に応えられるようがんばっていきますので、これからもよろしくお願いします!( ¨̮ ) (9月29日 1時) (レス) id: 29a124a552 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろぉ(プロフ) - 初めまして。コメント失礼しますm(*_ _)mこちらの作品を最近見つけて面白くて思わず一気見していました。これから更新お待ちしています。応援してますꉂ📣 (9月21日 22時) (レス) @page38 id: f13e73b476 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - ミミックさん»  コメントありがとうございます!長らくお待たせしました。これほど更新が遅れてしまったのに読みに来てもらい、コメントまで!本当に嬉しいです。応援いただきありがとうございます。できるだけ早く続きをだせるよう頑張るので、また読みに来てくれると嬉しいです! (9月13日 12時) (レス) id: 7341473d1c (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 更新再開ありがとうございます。リアさんのペースで頑張ってください。応援してます (9月9日 9時) (レス) @page36 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - @高橋_Teretaさん» コメントありがとうございました! そして大変お待たせしてしまい申し訳ありません。もしまだ更新を待ってくれていて、再び読みにきてくださるのであればそれほど嬉しいことは他にありません。完結までは必ず持っていきますので、良ければまたお願い致します。 (9月9日 3時) (レス) id: 29a124a552 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2022年8月30日 13時

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