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271話 ページ45

しかしグレイはふっと意地悪そうに笑う。冷たい目をレイに向けて、呆れた表情で首をふった。



「そう簡単に手に入ると思うか? レイチェル・ガードナー」



 それは挑発的な声だった。レイは唇を噛むと、青い目を鋭く光らせる。そしてザックのナイフを握りしめるとその先端をグレイに向けた。



「ほう……震える手で、己が欠けさせたザックのナイフを私に向けるのか」


「どうしてこれがザックのナイフだと知っているの……?」


「……知っているとも、あの子をここへ連れてきたのは私だからな。……だが、見てみろ……今、ザックは満身創痍だ。たぶらかされたのだ。君という────悪魔に。君は、魔女だ」



 グレイが言い放つ。レイが魔女だと断定するような強い口調に呼応するように、突然オルガンの音が頭にうちつけるほどに大きくなった。突然のことに、レイは思わず足をふらつかせ、そのまま床に倒れ込む。



「……違う……」



 レイが否定するように声を絞り出す。しかしレイの反論などきくつもりもないオルガンの音が嘲笑うようにレイを攻め立て、その意識を容赦なくさらった。





 何が起こっているのか、まるで分からない。レイが気がつくと、そこは真っ黒な世界だった。



(ここは、どこだろう……)



 レイが困惑しながら辺りを見渡していると、不意に虚空の中からグレイの声が響いた。



「レイチェル、君はあの者たちに何をした? ダニーは思慮深い者だった。だからこそ彼は一番ここを把握していたし、身勝手な行動など取らなかった」



 脳内を締め付ける声。甘いにおい。真っ暗闇の中なのに、視界がぐらぐらしているようで酔いそうになる。



「そして、アイザックはどうだろうか? 彼はとても単純で────言い換えれば、とても純粋な者だ。それが今、お前の『殺されたい』という願望の為に手ひどく扱われ────ひどいめにあっている」



 ────ザック。
 その名前がグレイの口から滑り出せば、レイの頭はさらに締め付けられた。

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リア(プロフ) - わごむごむさん» コメントありがとうございます!まだまだ未熟なので上手く壊れていく様子が描写できているかが不安なところですが、ここから先もどんどん皆が壊れていきますよ…!よろしければ続きも読んでいただけると嬉しいです(´∀`) (2019年9月19日 20時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
わごむごむ(プロフ) - 皆がどんどん壊れて行く感じがたまりませんなぁー (2019年9月17日 1時) (レス) id: 10a6ab8e26 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます!夢主の過去は書くうちにどんどん重くなってしまいました(^^; もっとやってもいいのですか!それなら!(違うそうじゃない)責任を押し付ける夢主は私自身書きながらくすりとしてしまいました(´ω`) (2019年7月24日 21時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 夢主ちゃんの過去が重すぎて…好きです←いいぞもっとやれ(( さりげなく責任をダニー先生に押し付ける夢主ちゃんも好きです(語彙力) (2019年7月23日 18時) (レス) id: 0ad758797f (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - キリンの妖精、キリンロングさん» コメントありがとうございます!まだまだつたない文章ですが、面白いと言って下さり嬉しいです!とても励みになります(*´∀`*)これからも楽しんでいただけるよう更新していくので、よろしくお願いします(*’ω’*) (2019年7月11日 19時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2019年6月16日 19時

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