267話 ページ41
(ちぎれてる……電気を通せば、レバーが動く仕組みなのかな。────電気を通すものがあれば……)
レイは少し考え込んだが、すぐに手の中のナイフに目をやった。ナイフは電気を通すだろうか────そんな淡い期待を胸に、レイはちぎれた電気コードの間を埋めるようにナイフを繋げた。するとバチバチッ、と火花が散るような音が部屋に響いた。
(これできっと、電気が通ったはず)
ゆっくりとレバーに手をかけてみると、先ほどまで微塵も動かなかったのが嘘のように、簡単にレバーはレイの腕の動きに従って下がった。それと共に、奥への道を閉ざしていた大きな門がゆっくりと開かれた。
レイはほっとして嘆息する。その時、唐突にレイの中にB3での光景が蘇った。
『……わがまま、なんだよ、テメェ、は！ こっちは、死にかけて、んだよぉおお！』
それは電気椅子に流れる激しい電流を受けたザックの叫びだった。ザックはあの時意識を失いかけていて、Aが苦しみ叫ぶザックに必死で語りかけていたのを思い出す。
バチバチッ、というあの恐ろしい音に身がすくむ。レイは扉が開いたのを確認すると、素早くナイフを回収した。見ると、電気を通したせいでナイフの柄が少し溶けてしまっていた。
(……でも、ナイフを使ったのも、ザックを助けるため……)
レイは自分自身に言い聞かせる。ザックを助けるため、それ以外に理由はない。レイは唇を噛むと、溶けたナイフの柄をぎゅっとにじり締め、次の部屋へと進んだ。
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リア(プロフ) - わごむごむさん» コメントありがとうございます！まだまだ未熟なので上手く壊れていく様子が描写できているかが不安なところですが、ここから先もどんどん皆が壊れていきますよ…！よろしければ続きも読んでいただけると嬉しいです(´∀`) (2019年9月19日 20時) (
レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
わごむごむ(プロフ) - 皆がどんどん壊れて行く感じがたまりませんなぁー (2019年9月17日 1時) (レス) id: 10a6ab8e26 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます！夢主の過去は書くうちにどんどん重くなってしまいました(^^; もっとやってもいいのですか！それなら！(違うそうじゃない)責任を押し付ける夢主は私自身書きながらくすりとしてしまいました(´ω｀) (2019年7月24日 21時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 夢主ちゃんの過去が重すぎて…好きです←いいぞもっとやれ(( さりげなく責任をダニー先生に押し付ける夢主ちゃんも好きです(語彙力) (2019年7月23日 18時) (レス) id: 0ad758797f (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - キリンの妖精、キリンロングさん» コメントありがとうございます！まだまだつたない文章ですが、面白いと言って下さり嬉しいです！とても励みになります(*´∀｀*)これからも楽しんでいただけるよう更新していくので、よろしくお願いします(*’ω’*) (2019年7月11日 19時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2019年6月16日 19時
