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248話 ページ22

「B6での目的は果たせたのか」


「ええ、だから、早くB2に戻りたい」



 グレイの冷静な声と対照的に、レイの声は焦ったように弾む。心臓は僅かに高鳴り、呼吸や心音のリズムは駆け足で。早くB2に戻って、ザックにこのナイフを渡したい。


 グレイはそんなレイの様子を、まるで何かを探るかのように、観察するように、しばらく
眺めていた。そして、やがてうなずいた。



「よかろう。私も少し気になることがある。急ぎ、戻るとするか」






 エレベーターがB2に到着すると、レイはエレベーターが開くのも待ちきれず、細く開いた隙間からするりと抜け出した。


 と、レイはザックとAがいるはずの廊下を見て、立ち尽くす。



(どうして────)



 エレベーターで眠っていたはずの、ザックがいない。そばにいるはずのAもいない。ただ、そこには得体の知れない薬の瓶が一本だけ。指先が震える。どこへ、一体どこへ。



「……どうした」



 エレベーターから降りてきたグレイが静かに問う。



「……いない……ザックも、Aも、いない」



 レイは思わず、祈るような目でグレイを見上げてしまう。グレイはレイが向けてくるそんな目線に軽くため息をついた。



「そんな目で見ても、何も出てはこない」



 グレイは細い目をさらに細めると、責めるような目をレイに向けた。



「────やはり、この不幸の連鎖は君が原因だ。レイチェル・ガードナー」



 レイは困惑したようにグレイを見上げる。またこの人は訳の分からないことを言っている。



「……さっきから、どういうこと? 私は知らないって言っているのに」


「B5にダニーはいたかね? 私は、彼だけその身のありかを把握していないのだよ。真面目で思慮深い彼が、なぜかおかしな行動を始めた。それは君が原因だろう?」


「そうなの、私のせいじゃない。……それより、ザックを探さないと」



 今のグレイの発言で、ダニーの生存が裏付けられた。やはりダニーは生きている────だとしたらザックと、Aが危ない。

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リア(プロフ) - わごむごむさん» コメントありがとうございます!まだまだ未熟なので上手く壊れていく様子が描写できているかが不安なところですが、ここから先もどんどん皆が壊れていきますよ…!よろしければ続きも読んでいただけると嬉しいです(´∀`) (2019年9月19日 20時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
わごむごむ(プロフ) - 皆がどんどん壊れて行く感じがたまりませんなぁー (2019年9月17日 1時) (レス) id: 10a6ab8e26 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます!夢主の過去は書くうちにどんどん重くなってしまいました(^^; もっとやってもいいのですか!それなら!(違うそうじゃない)責任を押し付ける夢主は私自身書きながらくすりとしてしまいました(´ω`) (2019年7月24日 21時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 夢主ちゃんの過去が重すぎて…好きです←いいぞもっとやれ(( さりげなく責任をダニー先生に押し付ける夢主ちゃんも好きです(語彙力) (2019年7月23日 18時) (レス) id: 0ad758797f (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - キリンの妖精、キリンロングさん» コメントありがとうございます!まだまだつたない文章ですが、面白いと言って下さり嬉しいです!とても励みになります(*´∀`*)これからも楽しんでいただけるよう更新していくので、よろしくお願いします(*’ω’*) (2019年7月11日 19時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2019年6月16日 19時

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