98話 ページ8
Aはため息をついて、タブレットを捨てた。そして、手の中に残った注射器を見つめる。
(……わたしの過去。わたしの過去には、絶対なにかがある。だけど、思い出してしまったら、全てが終わってしまう気がする────)
Aは少し考えて、結局注射器をポシェットにしまう。
注射器を捨ててしまっても良かったが、やはり自分の記憶には未練があった。そして、床に散乱した凶器も、すべてポシェットの中にしまう。なにかに使えるかもしれないし、何より、簡単に捨ててしまっていいものとも思えない。
(あーあ……わたしってとんだ危険人物)
ポシェットの中に、明らかに危ない薬と、いくつもの凶器を忍ばせているだなんて、危険にも程がある。
全てをしまい終えて、床に捨てたタブレットと、中身のなくなった金属の箱を棚の上に戻す。それからレイとザックの様子を見てみるが、二人はいまだ眠り続けていた。今の出来事はなんとなく二人には話したくない気分だった。
(レイと、ザックと一緒にいるから危険な目にあう……どういうことなんだろう)
考えれば考えるほど、不信感が募ってしまいそうだ。こんなことを考えるのは良くない。Aは考えるのを辞めることにした。ため息をついて、壁にもたれかかる。
(……わたしも、毒がまわってるはず。少し、寝ようかな)
憂鬱な気持ちのまま、そっと目を閉じる。やがて、眠りは訪れ、Aは微睡みの中に落ちていった。
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鬼灯黒狐(プロフ) - 更新私の方が遅いので大丈夫ですよ(;´д｀)w (2018年10月4日 21時) (
レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 鬼灯黒狐さん» ありがとうございます！最近更新速度がおちてしまっていて申し訳ないです(>_<;)これからもがんばりますので見てやってくださいm(*_ _)m (2018年10月2日 7時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯黒狐(プロフ) - ザック最高...更新頑張ってください！ (2018年9月30日 20時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年9月8日 19時
