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95話 ページ5

『私、今まで数え切れない程の生贄────罪人を断罪してきたけれど、全員にマグショットを撮らせているの、必ずね。────この意味がわかる?』


「……は?」



 それは突然の問いだった。少し困惑する。


 画面の中のキャシーは誘うような顔で画面の奥からAを見ていた。少し考えて、口を開く。



「……わたしは、マグショットを撮っていない。でも、罪人は必ずマグショットを撮らされている」



声に出して、整理する。



「つまり、わたしは……罪人、生贄ではない……?」



 迷いながらも、そう結論づける。すると、タブレットからピンポーン、と正解の音が流れた。



『正解!A、あなた、頭がいいのね?』



 画面の奥で、キャシーがクラッカーを鳴らした。紙テープが舞い散る。呑気なものだ。



「……そんなことない」



 頭がいい、と言われてもなにも嬉しくなかった。少しムキになって否定する。だが、キャシーはそんな否定など聞いていない。



『頭がいいあなたなら気づいていたんじゃないかしら? あの二人と、あなたでは、立場が違うってこと。今までのフロアで、違和感を感じる場面があったんじゃない?』



 そう言えば、だ。


 B4の殺人鬼、エディはAの墓だけは作っていなかった。エディがレイに抱いていた感情を思えば、レイのために墓を作ることはそうおかしくない。
 だが、エディはザックの墓でさえ作っていたのだ。あの二人の仲は、お世辞にも良いとは言えない。


 その部分に、違和感を感じた。


 エディは一度、殺されてみないか、とAを誘った。つまり、エディにはAを殺す意志があったのだ。その時点で、墓がないとおかしいというのに、墓はなかった。


 それに、あの履歴書はなんだ。


 レイと、ザックの履歴書はまっとうな履歴書だったが、Aの履歴書は空白と塗りつぶしばかりだった。



「…………」



 明らかな違和感を思い出し、顔をしかめる。このことをキャシーに言ってしまえば、相手の思う壺なようなきがして、口にするのをためらう。


 キャシーは口をつぐんだAを見て、不敵な笑みを浮かべた。

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鬼灯黒狐(プロフ) - 更新私の方が遅いので大丈夫ですよ(;´д`)w (2018年10月4日 21時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 鬼灯黒狐さん» ありがとうございます!最近更新速度がおちてしまっていて申し訳ないです(>_<;)これからもがんばりますので見てやってくださいm(*_ _)m (2018年10月2日 7時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯黒狐(プロフ) - ザック最高...更新頑張ってください! (2018年9月30日 20時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2018年9月8日 19時

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