126話 ページ36
「……ザック」
レイは、もはや動かなくなったキャシーには目をくれず、一目散にザックに駆け寄る。
Aは少し呆然としていたが、まもなく同じようにザックに駆け寄った。
「……おー」
ザックは少しバツが悪いような顔でレイとAを見やると、ニヤリと笑ってみせる。
「ザック……大丈夫、なの？」
Aが震える声でそう訊くと、ザックは一気に顔をしかめた。
「あぁ！？ 腹痛てぇに決まってんだろ！？」
その返事に、Aは少しぽかんとしてしまう。
(これが……数分前に自分のお腹を斬りつけた人の感想……？)
少し気が抜けてしまう。当のザックは、心配するのも忘れてしまいそうなほど平然としている。
しかし、それがザックらしさでもあるのだろう。気が緩んで、Aは座り込んだ。
「ザック、無事でよかった……」
思わず泣き出してしまいそうになるが、ぐっとこらえる。
「……おー」
ザックはきまり悪そうな声でそれだけ言ってみせると、Aの頭をぽんぽんと叩いてみせた。
「あの……あまり、無理はしないで」
レイがそう言うと、ザックは不機嫌そうに、しかし照れくさそうに頭をかく。
「うるせぇ。テメェはテメェの心配してろ」
ザックはレイの心配を跳ね返すと、次にははしゃぐように話をふった。
「それよりも、あの女の顔みたか！？」
「……うん」
レイはザックのテンションの高さに少し戸惑ったのか、少し間を開けてそう答える。
(ザック、生命力がすごすぎる……)
Aも若干圧倒されながらも、うなずいた。
「傑作だったなぁ、おい！ レイ、お前もよくやったじゃねぇか！」
「……本当？」
「おぅ、おかげでちったぁ、スッキリした！ 少し腹が痛てぇくらい、気にならないくらいにはな」
ザックはそう言うと、立ち上がった。
「なんか、ごめんね。わたしだけ、何もしてないや……」
Aが立ち上がりながらそう言うと、ザックは飄々とした表情を浮かべる。
「あぁ？ 生きてんだ、それでいいだろ。先、行くぞ」
ザックはいつもの調子でそう言うとカマをかついだ。
「え、もう行くの……？ お腹、もう大丈夫なの……？」
Aが恐る恐る訊くと、ザックはなんでもなさそうにうなずいてみせる。
「こんくらい、何ともねぇよ」
ザックがそういったのを見て、レイは少し考えつつも防弾ガラスの向こう側を指さした。
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鬼灯黒狐(プロフ) - 更新私の方が遅いので大丈夫ですよ(;´д｀)w (2018年10月4日 21時) (
レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 鬼灯黒狐さん» ありがとうございます！最近更新速度がおちてしまっていて申し訳ないです(>_<;)これからもがんばりますので見てやってくださいm(*_ _)m (2018年10月2日 7時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯黒狐(プロフ) - ザック最高...更新頑張ってください！ (2018年9月30日 20時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年9月8日 19時
