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117話 ページ27

そこからは夢中だった。


 わかっていた事だが、ザックは恐ろしく足が速かった。
 薬の影響か、ザックがしばしば立ち止まりそうになりながら追ってくるのが幸いし、なんとかレイとAはザックに捕まらずにすんでいた。




「はぁっ、はぁ……」



 息が苦しい。


 心臓が痛い。


 胸が締まって、酸素が足りなくなる。


 視界がぐらぐらと揺れるほどに、頭の中に靄がかかりそうなまでに、走り続けて。


 すぐ後ろの空間を斬り裂く刃の気配を感じながら、走り続けた。


 廊下の先に現れたとびらを勢いよく開いて、飛び込んだ。



「……っ!?」



 たどり着いた部屋は、ひどく明るい部屋だった。
壁も、床も、全てが白い。広い部屋の中で、光が交錯して、目が眩みそうになる。しかし、やはり辺りには血の跡が散布して、白い床や壁を汚していた。


 見て取れたのはその程度だった。冷静に部屋を見て回る時間などない。


 なぜなら。



「ザック……」



 ふっと振り返ると、レイとAを追って、同じく部屋に入ってきたザックの姿があった。
 ゆっくりとカマを引きずりながら迫ってくるその姿はさながら死神。常軌を逸したその目はまさしく殺人鬼のそれで、爛々と光る目はB6で見たそれよりもさらに猟奇的だった。


 その部屋は行き止まり。もう逃げることはできない。それをわかっていてか、ザックはジリジリとこちらを追い詰めるかのように歩いてくる。


 歯を食いしばって、ザックの顔を見つめた。その瞳に、理性は欠片も残っていない。瞳は揺れ続けて、視線を合わせることすらできなかった。

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鬼灯黒狐(プロフ) - 更新私の方が遅いので大丈夫ですよ(;´д`)w (2018年10月4日 21時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 鬼灯黒狐さん» ありがとうございます!最近更新速度がおちてしまっていて申し訳ないです(>_<;)これからもがんばりますので見てやってくださいm(*_ _)m (2018年10月2日 7時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯黒狐(プロフ) - ザック最高...更新頑張ってください! (2018年9月30日 20時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リア | 作成日時:2018年9月8日 19時

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