104話 ページ14
「包帯を巻いた人形を女の人形の前に───ザック、聞いてる？」
「あぁ！？」
ザックは包帯を巻いた人形を引っつかむと歯をギリギリと鳴らしながら、睨みつける。
若干息を切らしながら、ザックは指示通りに人形を置く。
《あら、言われたことが出来て偉いわね、ザック》
「ザック、包帯の人形に黒いビニール袋を持たせて」
《言われたことをやるのよ。難しいことじゃないでしょ、ザック？》
「ザック、どうしたの？」
キャシーとレイの声が重なる。ザックは肩を震わせながら、カマを強くにぎりしめた。
「クソ女がぁぁぁ！！！」
カマを振りかぶって、ドールハウスに向かって振り下ろそうとする。
「ザック！」
「やめて！」
レイとAが叫んだのはほぼ同時のことだった。
ザックは今にも暴れだしそうだった。獣のような唸り声を上げながら、ザックはドールハウスを壊さず、カマをとめていた。
《壊したら一生出られないわよ？》
「包帯の人形にビニール袋を……」
「わかってんだよ！」
ザックはキャシーの言葉も、レイの言葉も遮って、人形にビニール袋を持たせる。
(もしかして、これって……)
ザックのどこか悲痛な表情に、Aは息をのんだ。
(おかしいと思っていた……この刑罰は今までの刑罰とは違う。今までの刑罰は、処刑するためのもの。わたし達を殺そうとするものだった。だけど、今やらされているこれは────)
────ザックを、苦しめるためのもの。
「ザック、包帯の人形にシャベルを持たせて」
ザックはもはや何も言わなかった。先ほどよりずっと冷静にドールハウスの中を操作する手は、微かに震えていた。
Aは息をするのも忘れて、ドールハウスの中を見つめる。
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鬼灯黒狐(プロフ) - 更新私の方が遅いので大丈夫ですよ(;´д｀)w (2018年10月4日 21時) (
レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 鬼灯黒狐さん» ありがとうございます！最近更新速度がおちてしまっていて申し訳ないです(>_<;)これからもがんばりますので見てやってくださいm(*_ _)m (2018年10月2日 7時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯黒狐(プロフ) - ザック最高...更新頑張ってください！ (2018年9月30日 20時) (レス) id: 28c4276209 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年9月8日 19時
