42話 ページ43
ザックは脅すようにカマを少し持ち上げる。Aはその話を黙って聞いていたが、なんと声をかけようか、と考え始めた時だった。
「……その話は、私があなたに殺してもらえることと、関係してるの？」
レイが大真面目な声でザックにそう訊いた。
「あ？ ……あー！？ そうか、こいつら、俺に"殺されたい"んだった！」
「いや、わたしは、違うけど、ね……？」
Aは一応否定しておいたが、多分聞いていない。ザックはレイとAを"殺されたい"と"別に殺されたくない"に分類するのが面倒なのだろう。
「もう、いい。つーか、お前らはなんで、俺が怖くねぇんだ」
「だって、あなたのことはまだ良く知らないから」
レイはそう言ったが、Aには特に理由が思い浮かばなかった。とにかく、怖くないのだ。
「……とにかく、怖くないの」
小声でそういうと、ザックは「なんだそりゃ」と言いたげな顔で鼻息を吐き出した。
「……で、他になんかなかったのかよ」
奥の部屋の話に戻ったらしい。
「……奥の部屋のさらに奥に、扉があった。でも、鍵がかかってて、鍵穴もなかった。多分、仕掛けがあるから、こっちで探したい」
「……わかった。でも、その前にやることがあんだよ」
ザックはどこか苛立ったような声を出した。そして、つるはしを拾うと、レイの墓へと近づいていく。
(……！)
Aがはっとしてレイの顔を見ると、レイの顔色は青ざめていくようだった。
「この墓をぶっ壊さねぇと、イライラして仕方ねぇわ……！」
「……待って！」
レイが叫ぶ。が、つるはしは渾身の力を込めて、墓石に向かって振り下ろされた。
およそ四回。つるはしが振り下ろされて、レイの墓は粉々に砕け散った。
「おい、行くぞ。お前が入る墓は、ここにはねぇんだ。お前が死ぬのは、俺が地下から出た後だ」
レイは絶望したようにうなだれていたが、ザックの言葉にはっとして顔をあげる。そして、レイはちいさくうなずくと、歩き出した。その背中を見つめながら、Aは考えていた。
(────わたしの履歴書は、なかったのかな。あったとしても、見せたくなかった、とか……？)
墓石がなかったり、履歴書がなかったり。自分は何かと、レイとザックの二人とは、違った立場に立たされる。それが何となく不安で、心がざわついているのを、Aは感じていた。
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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます！この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね！色々試してみますね、ありがとうございました！ (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね！ところで、背景の色を変えたりはしないのですか？それやると面白さが上がると思いますよ！ (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年8月4日 21時
