15話 ページ16
レイがカードをポケットにいれて立ち上がった時だった。再び不気味な物音がすると、頭上から耳障りな笑い声が降ってきた。
(……！)
さっと視線を上げると、あの殺人鬼が太い排水管の上に立っているのが目に入る。ついさっき、小鳥の命を奪った大きなカマが獲物を見つけたのを喜ぶかのように、ギラリと光った。
「やぁーっと見つけたｧ！」
殺人鬼はニヤリと不敵に笑う。そして勢いよく飛び降りてくると、その目をカッと見開いて高笑いをしながら叫んだ。
「今度は、一秒も待ってやらねぇよ！」
殺人鬼が容赦なくカマをふりあげる。その切っ先がレイを狙っているのに気がついて、Aは反射的に動いた。
ガキンッ、と。
金属と金属がぶつかり合う音とともに、Aの腕に凄まじい衝撃が加わった。
「あぁ？ テメェ……！」
男は酷く怪力らしい。咄嗟にシャベルで凶刃を受け止めたのはいいが、シャベルが軽く変形したのを見てAは息をのんだ。だが、迷っている暇はない。
「レイッ！ 先に行って、エレベーターを！」
Aが叫ぶと、レイは我に返ったかのようにうなずき駆け出した。それを見て、Aは再び殺人鬼と対峙する。
「邪魔なんだよ！ まずテメェからぶっ殺してやる！」
殺人鬼が目をギラつかせてカマを振り上げた時、Aはシャベルで足元の土を掘り出すと、殺人鬼の顔に勢いよく土をかける。
「……！」
目くらまし程度にはなっただろうか。あまりにも無策無謀な行動だが、殺人鬼がほんの少し怯んだ隙にAはシャベルを放りだして、エレベーターに向かって駆け出した。
「待ちやがれ！！！！！」
殺人鬼の怒り狂った声が聞こえる。
────誰が待つものか。
ただひたすらに走る。そして目線の先にエレベーターで、Aが来るのを待っているレイの姿が見えた。
「A！ 早く！」
Aがエレベーターに駆け込むと同時に、エレベーターのドアが閉まる。はっと振り返ると、閉まりゆくドアの隙間から、すぐ近くに迫っていた殺人鬼がカマを振り上げているのが見えた。
────本当に、危機一髪だった。
助かった、ということをようやく実感して、Aはその場にへたりこむ。
「死ぬかと思った……」
「A……無事で良かった」
荒く息を吐き出してAは無理やり笑顔をつくると、レイに笑いかける。レイは安心したように笑い返してくれた。
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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます！この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね！色々試してみますね、ありがとうございました！ (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね！ところで、背景の色を変えたりはしないのですか？それやると面白さが上がると思いますよ！ (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年8月4日 21時
