27話 ページ28
レイはふらふらと立ち上がると、あの騒動の中でも一切目を覚まさなかったAのところに向かった。肩に手を置いて、再び揺り動かす。
「……起きて、A。行こう」
肩を叩きながら、Aの名を呼ぶと、まぶたがピクリと動き、ゆっくりとAの目が開いた。
「……あれ、レイ。ごめん、寝ちゃってたみたい」
「……先生に、何かされたの？」
Aは少し考える。何かをされた気がする。確か、耳もとで何かを囁かれた。それを聞いて、動揺した。そして、逃げるように、気を失った。
(何を言われたかは、覚えていない。忘れようとして、気を失ったんだ。わたしにとっては、忘れていた方がしあわせな記憶だったのかな)
「まあ、ちょっと、ね……」
適当に誤魔化して、少しふらつきながら立ち上がる。と、床に転がったダニーの血塗れの身体を見つけて、言葉を失った。
「ダニー先生、死んで……」
「B6の殺人鬼が、ここに来たの」
「あの危ないやつがここに来たの？ ……無事だったんだ」
「いろいろあったの」
しっぺ返し。適当に誤魔化されて、もやもやした気持ちが残る。首をかしげると、Aはレイの雰囲気が少し変わったことに気がついた。
(この違和感は、なに……？)
「レイ、雰囲気変わった……？」
「……そうかな」
どこか暗い声。妙に光を失った瞳。そして目の前にはダニーの血塗れの身体。
(……また嫌な予感がする)
頭をぶるぶると振る。少し気持ちを落ち着けて、笑顔を作るとレイを振り返った。
「……ごめんね、レイ。起こしてくれてありがとう。わたしは、もう行けるよ」
レイはほとんど真顔でうなずくと、ダニーの身体を見えていないかのように素通りして、部屋を出ていった。
Aはダニーをちらりと見て、動かないことを確認する。ここで何が起こったのだろう。ダニーが豹変して、レイを襲ったのだろうか。その結果、レイはどこか絶望したような雰囲気になってしまった。そのダニーが死んでいるのはB6の殺人鬼がここに来たから。つまり、どういうことだ。
さっぱり訳が分からないが、それは最初からだ。────あとで、話を聞けそうなら聞いてみよう。また誤魔化されるかもしれないけれど。そこまで考えて、Aは部屋を出た。
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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます！この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね！色々試してみますね、ありがとうございました！ (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね！ところで、背景の色を変えたりはしないのですか？それやると面白さが上がると思いますよ！ (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年8月4日 21時
