こんにちは、賢者の魔法使いにしてください。【まほやく】 (ページ29)

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28.いい女ページ29

Aside
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「？」

目を覚ますとそこは見覚えのある場所だった
部屋のどこからか人がいる気配がする

「…フィガロくんいるのか？」

フィ「いるよ、もしかして首動かせない？」

「今は動かせそうにない」

フィ「うーん…過度なストレスかもね、何してこうなったのかな？」

「あいつを思い出そうとして幻影魔法をミチルくんに教えてあいつの姿を描いてもらってたんだ」

フィ「…きみが言うあいつは思い出さない方がいいかもね」

「…すごく愛しいんだ帰りたい」

フィ「愛しい…ね」

「愛しいものを思い出すのはこんなに苦しいことなのか」

フィ「胸が痛くなることもあるさ」

「悲しいなすごく」

私が悲しいと言ったことに意外性を感じたのかフィガロくんは驚いた顔をした

フィ「きみ悲しいって言えるんだ」

「私をなんだと思ってるんだ」

フィ「案外素直なんだね、素敵だよ」

「貶されてるのか褒められてるのかわからないが、私は素敵だ」

フィ「あはは、面白いねきみは」

フィガロくんは笑った後に私の頭を撫でた

「おい、誰の頭を撫でていると思っているんだ」

フィ「だめか」

「なんだ、口説こうとしていたのか？」

フィ「失敗したいけどね、残念」

「下手くそ、こうやって相手を落とすんだよ」

フィ「え？」

驚いた顔のフィガロくんの手首を掴んで壁に追いやって
私の鼻がフィガロくんの耳に触れそうな距離まで顔を近づけて優しく囁いてやった

「君のおかげで(首の)緊張がほぐれた、ありがとう、フィガロ」

その後直ぐに離れてやると固まっているフィガロくんが面白くてクスクスと笑ってしまう

フィ「き、きみ…首は？」

「言っただろう、フィガロくんと話してたら良くなったんだ、どうだ落ちたか？」

フィ「……」

悔しいような何も言えなさそうな顔をしているな、からかい過ぎたか

フィ「他の人にやっちゃダメだよ、ほらまだ病人は休んでなくちゃ」

バッサバッサと布団を直してこちらへどうぞと誘導してくる

「いや、もう休む必要は無いだろう、ミチルくんに謝ってくる」

こうしてフィガロの元を後にした

フィ「振られちゃった、はぁ…やるねぇ…A」