検索窓
今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:3,013 hit

27.幻影魔法を描いて ページ28

ミチルside
━━━━━━━━━━━━━━━

中庭にAさんがいた

噴水のところに座って何かを頑張っている


ミ「あっえっと、A…さん、なにしてるんです、か?」


緊張しながら話しかけてみるとAさんはこちらをサッと振り向いた


「ん?あぁ、幻影魔法でも使えないかなと」

ミ「なんで幻影魔法を?」

「思い出せない奴がいてな…幻影魔法で姿を少しでも描いて思い出せないかなと」

ミ「ボ、ボクがやって見ます!」

「!…本当か!!ほら、隣に座れ私が指示する」

隣に来いと自分の隣を手でポンポンしてボクを呼ぶ

ミ「と、隣に…いいんですか?」

「もちろんだ、ほらおいで」

ミ「は、はい!!」

ドキドキしながら隣に座ると肩をくっつけてくるAさんに驚いて手が震える

ミ「わ…わ、えっと」

「なんだお前、幻影魔法できないのか」

ミ「お、教えてください…お願いします!」

「まずは深呼吸だ…いい感じだな、それと…


そしてあれこれ教えてもらい、解像度は低いけどなんとか姿を描くことが出来た


「…あいつだ、そうだこんな感じだ、懐かしいな…」

ミ「……」


ボクの出した幻影に触れようと手を出して切なそうに瞬きするAさんに目を奪われた

なんて綺麗な人なんだろう…


「…本当にお前は死んだのかな」

ミ「え、死んだ…?」


不穏な言葉を聞いて我に返る


「恐らくな…私が殺したのかもしれない」

ミ「え…」

「わからない、他に殺られたのかもしれないし、寿命が来たのかもしれない」

ミ「この人は人間だったんですか?」

「いや、魔法使いだ」

ミ「そう…だったんですね、もう少し細かく描いてみたいです…教えてくれませんか?」

「あぁ」


……




顔が段々ハッキリしてきた

ミ「こんな感じです…かって、えっ!だ、大丈夫ですか?」

魔法に集中していてAさんが頭を抑えていることに気づかなかった

「…っ」

後ろに傾いたAさんを慌てて支えた衝動でボクも噴水に落っこちてしまった

ミ「わぁ!っ……Aさん!Aさんしっかりしてください!」

Aさんの体を支えて揺らしてもピクリとも動いてくれない
不安になって名前を呼び続けた


ル「ミチル?ミチル!どうしたの!」

ミ「兄様!助けてください!Aさんが!」

ル「…気を失ってるだけみたい、大丈夫だよフィガロ先生のところに連れていくね、ミチルは体を乾かしてきて」

ミ「は、はい」



一体どうしちゃったんだろう

Aさん…

28.いい女→←26.危なっかしい



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪女 - 更新楽しみにしてます (3月6日 16時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:f | 作成日時:2024年2月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。