こんにちは、賢者の魔法使いにしてください。【まほやく】 (ページ19)

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18.盗まれて恋煩いページ19

賢者side
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Aさんが少し怖かったのか目線をやや下にしてお利口に挨拶するミチルとリケ
それをみてAさんは2人の顔を覗き込んだ

「こんにちは」

いつもは目を合わせて誰にでも挨拶できる子達なのに珍しい…

「おまえ達ふたりとも賢者様を守ろうと思ったんだよな」

ミ・リ「え…？」

「賢者様がおまえ達を庇ったと同時に魔道具を出していた、今だってほらそこにある」

ミチルとリケは自分の手を見る
そこにはちゃんと魔道具が出現していた

私を守ろうと無意識に魔道具を出していたのだ

「偉いなまだ若いのに、戦おうとしたその意思とても勇敢だ…」

そう言ってAさんは2人の頭を優しく撫でた

女の私でもドキドキするような柔らかい笑み
やっぱり魔法使いはみんな顔が良いのかな

リ「ふふ…はい！」

ミ「……」

元気よく笑顔で褒められたことを嬉しがるリケと
なんだか遠くを見ているようで心ここに在らずなミチル

賢「ミチル？」

ミ「……」

ミス「ミチル？どこか打ったんです？返事してください」

ミ「え！？え、あ、…あ、」

リ「ミチル？どうしたんですか？」

ミ「えっと…」

ミチルがもじもじしているとAさんが独り言を呟いていた

「…なん…」

気になってAさんに近づくと彼女もまた放心状態に近くなっていた

賢「わ、わぁ、どうしたんです、大丈夫ですか…」

「なんだか体が重力に…重さが…」

賢「？…はっ！注射打ったからです、すっかり忘れてました…注射打ったあとは体がだるくなんですよ…部屋で休みましょ」

「情けない…」

賢「仕方ない事です、どうか落ち込まないでください…それでは皆さん先に魔法舎に帰っていますね！ミスラ、2人をお願いします！」

ミス「……俺を頼ればいいじゃないですか」

《アルシム》

賢「え！いいんですか！ありがとうございます！Aさん、おんぶします！」

「わ、わるい、ありがとう」

ミ「……」

リ「ミチルらしくない…」

ミ「そう、ですか？」

リ「なんだか変です」

ミ「そう、ですか？」

リ「…もう」

………

……

ネ「あぁ…」

ブ「それはな…恋

ネ「ブラッド」

ブ「なんだよ」

ネ「…言わない方がいい、気がする」

リ「ミチル…」

ミ「……」

リ「…ずっとこの調子なんです…もう、僕といるのに」

ブ「まじでどこ見てやがんだ？」

ミ「Aさん……」

ネ「ははっ盗まれたなこれは…」

少し微笑ましく思う大人2人だった