13.人間同然 ページ14
賢者side
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「これじゃあただ迷惑なだけになってしまう」
独りでも生きていけなくなってしまったAさんは誇りをズダボロにされ酷く落ち込んでいた
賢「Aさん大丈夫ですよ、きっと元に戻ります、そうだまずはフィガロのところに!」
フィ「悪いけど…それは治せないよ」
賢「フィガロ…!なにか方法とかないんですか……?」
暫く黙った後にフィガロは私の肩を引き寄せて耳元でこう言った
フィ「この方が都合がいい、きみだって監視する事を嫌々承諾していたじゃないか…よかったね賢者様」
賢「っ…」
都合がいい…?
Aさんに暴走されて世界が破滅するよりかは良いと思ってしまった私がいて怖くなった
でも確かにそうだ、世界が滅ぶよりかは今のままでいいのかもしれない…
一人をとるか、世界をとるか
1人の誇りのために…世界を捨てるか…
世界を捨ててまで1人を助けるのか…?
正常な判断が出来ていない気がして焦燥感と血の気が引いていく感覚がした
その時肩に優しい手の感覚がして振り向く
シャ「……」
その手の主はシャイロックだった
賢「シャイロック…」
フィ「おっと…そんな目で見ないで、何もしてないよ」
シャ「…賢者様、随分と顔色が悪いですね大丈夫ですか?」
賢「…えっと大丈夫なような、はい」
シャ「深呼吸なさって…Aさん、随分と姿が変わりましたね、長い時間目を覚まさない様でしたので心配していたんですよ、顔色も怪我も良くなってよかったです」
「お前も私が眠っている間に見に来ていたんだな………。……、……
話は頭に入ってこなかったけど、シャイロックとAさんが話をしている所を見て少しリラックスが出来た
そうだ、強いとは言っても北の魔法使いだって言っても
Aさんは私に優しくしてくれた
どちらを取らなくてもいい、力を取り戻したとしても暴走をしないようにそんなことにならなくてもいいように私がAさんを守りたい
そう思った
フィ「……」
フィガロはと言うとシャイロックとAさんの話している空気に毒気を抜かれたようだった
さっきまで少し冷たい顔をしていたのに今はその冷たさも少し無くなっている
「フィガロくん、怪我が治るまでずっと看病してくれていたんだってな、ありがとう」
そういいながらAさんは子供を撫でるようにフィガロの頭に手を伸ばし頭をよしよしと撫でた
フィ「なんだかあついなこの部屋…」
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雪女 - 更新楽しみにしてます (3月6日 16時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:f | 作成日時:2024年2月12日 23時