3章 朝焼けを望む小川の畔にて〈2話〉 ページ21
ティーは彼女の勢いに半ば置いていかれそうになったが、何とか勢いに付いていくことが出来た。機関車に乗る直前、近くで座っているジェアイに気が付いた。今まで完全に気配が消えていて気付かなかったのだ。
「またお会い出来ましたね。ジェアイさんも乗るんですか?」
「それ以外の何に見える。」
面白そうでもなく言い放った。その態度に少し困ったが、直ぐに笑顔で受け答える。数百年も接客業を続けていれば上手くもなるだろう。
「見えませんね。」
丁度彼女が操縦車両に入るところで足を止めた。
「ジェアイあんた、その子と知り合いだったのね。」
「ああ。」
その回答を聞くと近付いてきて、大きくも切れ長の緑色の瞳を更に吊りあげる。
「もう!そういう事はさっさと言いなさいよ。」
「いや……まあ、あれだ。襲われるかもって思った。あの子が。」
少々目を泳がせたが、直ぐ眠そうな双望をしっかりと彼女に向ける。それに苛つきを覚えて、持っていた工具を振りかざし、
「いい加減殴るわよ。」
恐喝した。
「ああもう分かったから止めろ。あの子に自己紹介でもしてくれば?」
「そうよ、あんたに付き合ってる暇はないわ。乗るなら早く乗んなさいよ朴念仁。」
綺麗な笑顔で発言は始まったものの、即座にジェアイに冷たい視線と毒舌を浴びせた。彼女の毒舌の実力は、中々目を見張るものがある。それ以外にもコミュニケーション能力に富んでいる。戦時中はこれでスパイをする事も多かった。
「……ひでえ言い様。」
愚痴を言いながらも彼女の後から車内に入った。
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弧瑠十 奏(プロフ) - 00さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると頑張れます。これからも是非ともよろしくお願いいたします! (2022年6月4日 18時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
00 - コメント失礼します。とても面白かったです!本当にお話を書くのがお上手ですね。パート2も楽しみにしています!! (2022年6月4日 11時) (レス) @page46 id: 4683564af1 (このIDを非表示/違反報告)
弧瑠十 奏(プロフ) - 更新かなり遅くなりました。申し訳ございません。 (2021年11月30日 6時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつあめ(プロフ) - 検定頑張ってください (2020年10月26日 8時) (レス) id: f82d3976b3 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ(プロフ) - 白夜の世界さん» 有り難う御座います!とても嬉しい御言葉です。これからも、頑張ります。 (2020年6月9日 16時) (レス) id: a9c96849d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弧瑠十 奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aaaD
作成日時:2020年2月25日 21時