2章 只の殺戮兵器として〈3話〉 ページ16
1週間後、久しぶりに晴天に恵まれた。そうは言っても青空とは程遠い黄銅色の、この時代の晴天だ。
雨漏りやその他の影響で飲まず食わず不眠不休で1週間立ち続けていたジェアイは、少々気分が優れない。普通の人間ならもう死んでいるだろうが、体内の歯車で動く今の人間なら生き続けることが出来る。主な動力は歯車で最低限作られ、心臓の活動や栄養補給、睡眠などは動きを良くする為に実行される。無くても少し動きが鈍くなるだけなのだ。その為ジェアイは食事をしないことも多い。動きが鈍くても困ることはない。しかしティーは生きる気力とその姿で居る危険があり、睡眠も食事も充分取っている。
ジェアイはゆっくりふらふらと、廃墟を出た。
*
1週間も経てばこすずが居なくなった事にも慣れてきた。彼女は只の独り言が多めの少女になっていた。しかしやはり少し寂しい気分になる。それでも何とか気にしないようにしている。
「食糧を見つけられる街までそろそろ行かないと。」
ずっと先伸ばしにしていたが、そろそろ食糧が尽きてきた。この街にはもうなさそうで、隣街まで行かなければいけない。しかしここは他の街にかなり遠く、城壁を出ると360度地平線が広がる。数年前に聞いた話では各街の廃駅のホームに稀に5両編成の蒸気機関車が停止し、気が向くまで停まり続けるらしい。
「今日は行ってみてもいいかな。」
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弧瑠十 奏(プロフ) - 00さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると頑張れます。これからも是非ともよろしくお願いいたします! (2022年6月4日 18時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
00 - コメント失礼します。とても面白かったです!本当にお話を書くのがお上手ですね。パート2も楽しみにしています!! (2022年6月4日 11時) (レス) @page46 id: 4683564af1 (このIDを非表示/違反報告)
弧瑠十 奏(プロフ) - 更新かなり遅くなりました。申し訳ございません。 (2021年11月30日 6時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつあめ(プロフ) - 検定頑張ってください (2020年10月26日 8時) (レス) id: f82d3976b3 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ(プロフ) - 白夜の世界さん» 有り難う御座います!とても嬉しい御言葉です。これからも、頑張ります。 (2020年6月9日 16時) (レス) id: a9c96849d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弧瑠十 奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aaaD
作成日時:2020年2月25日 21時