3章 朝焼けを望む小川の畔にて〈4話〉 ページ23
訊きたいことは多くある。一週間前の事でも、訊きたいことがあるのだ。
「ん。」
その時、列車に乗って初めて顔を向けた。そしてふらつきながら立ち上がり、ゆっくり移動してティーの正面に座った。こてっと壁に寄りかかって、視線だけをティーに向ける。
いざ対面すると、照れ臭くなりティーが通路側にずれた。
「で、何。」
しかし視線は冷たく突き刺すようだ。悪い事をしてしまったかと思ったティーは、ジェアイに問う。
「冷たくないですか?私、何か悪い事をしてしまったんでしょうか。」
「…………。知らないから。」
優しい話し方を知らないから。
その意思を込めて言ったが、というよりそう言おうとしたが、自分で思っていて虚しくなってきた。その結果前半は消えた。ティーはどう受け取ったのか、むっとした顔で溜め息を吐き、「まあいいです。」と言った。
「それだけ?」
「ちっ違いますよ、一週間前の事ですっ。」
ティーは勝手に問い詰められた気になり焦る。彼の声色のせいもあるだろう。
「レイさんがおっしゃってた……そう、〈ぼうはつしゃ〉って何ですか。」
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弧瑠十 奏(プロフ) - 00さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると頑張れます。これからも是非ともよろしくお願いいたします! (2022年6月4日 18時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
00 - コメント失礼します。とても面白かったです!本当にお話を書くのがお上手ですね。パート2も楽しみにしています!! (2022年6月4日 11時) (レス) @page46 id: 4683564af1 (このIDを非表示/違反報告)
弧瑠十 奏(プロフ) - 更新かなり遅くなりました。申し訳ございません。 (2021年11月30日 6時) (レス) id: 886c7552f3 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつあめ(プロフ) - 検定頑張ってください (2020年10月26日 8時) (レス) id: f82d3976b3 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ(プロフ) - 白夜の世界さん» 有り難う御座います!とても嬉しい御言葉です。これからも、頑張ります。 (2020年6月9日 16時) (レス) id: a9c96849d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弧瑠十 奏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aaaD
作成日時:2020年2月25日 21時