菅原孝支が。 ページ2
『好きなものを否定する』
佐藤｢あそこに出来たケーキショップのケーキ美味しいんだってー！｣
最近出来たケーキショップを見て、友達から聞いたことを思い出し、口に出してみる。というか、思わず口に出してしまった。
菅原｢へぇ…A甘いもの好きだっけ？｣
佐藤｢大好きだよー！｣
とびっきりの笑顔で答えると、孝支は不思議そうな顔をしてこう発した。
菅原｢…よくあんな甘いもん食えるよなぁ、俺は無理だわ…。｣
たしかに、孝支は甘いものではなく、辛いものが好きだ。だけどそんなに否定的な言い方をしなくてもいいじゃないか。この間も私のお気に入りのワンピース着て会ったら｢なんか寒そう｣とか言って感想はそれっきりだったし、ほんと有り得ない。
佐藤｢…甘いものも美味しいよ？｣
少し戸惑ったものの、無難であろう返答をした。孝支に負けないぐらい不思議そうな顔をしてやったつもりだ。
菅原｢俺にはその良さ、わかんねぇなー。月島も甘いもん好きだろ？今度月島とでも買いに行ったら？｣
…なにそれ、私がツッキーと2人でケーキショップ行っても何も思わないってこと？束縛も嫌だけど、そんなに無関心だと流石に自信を無くしてしまう。
いや、孝支のことだし、特に何も考えずに思ったことを素直に言っているだけだ。鈍感とか、そういうやつ。きっと、そう。そう信じ、私も思ったことを素直に口にしてみる。
佐藤｢…私は、孝支と買いに行きたいなぁ〜なんて。｣
すると孝支は不思議そうな顔を驚いた表情にすぐさまチェンジした。その顔をまた、心配そうな顔に変える。…コロコロと変わる表情にクスッと笑ってしまった。
菅原｢…俺と行ってもつまんなくない？大丈夫？｣
佐藤｢孝支とだったら大抵どこでも楽しめちゃうよ！大丈夫…っていうか孝支と行きたい！｣
自信なさげな孝支の姿を愛おしく思ってしまったせいか、すぐに否定してくることに関してのイライラはどこかに吹っ飛んでしまった。
私はそんなことを考えながら大好きな彼と、大好きなケーキを買いにケーキを求めケーキショップへと歩く。
end
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜乃 ぽる | 作成日時：2017年6月26日 22時
