111話 ページ23
A「…あのときにね、やっぱりフジのこと好きだなあって思ってたの。そんで私ずっとフジばっかり追いかけてきたから、私の人生の一部だったフジが、みんなとの幸せを願ってたら、影響されちゃって、誰も選ばずに平穏に過ごす決意をしちゃってたかもしれない」
そう言葉に詰まりながら俺に話してくれる彼女は表情こそにこにこしていたが、随分と俺との、俺らとの未来について考えてくれていたと分かり、なんだか俺の胸が苦しくなる。
A「前も言ったかもしれないけど、この高校入るのもフジのこと追っかけてたし、2階に通うようになってたのもフジを見てたし、…ほんとに私にはフジしかいなかった」
…フジしかいなかった、というのはキヨやヒラ、こーすけのことを否定しているわけではなくて、本質的な部分なんだろう、と言い方でなんとなく分かった。
味方が俺だけ、とか、頼れるのが俺だけ、とか、そんな単純な話ではなく、もっと深い部分。
フジ「…そんなに想ってくれてる人がすぐそばにいたのに、俺はずっと気付かなかったんだな、ごめんな」
そう、コントローラーを離して頭を撫でると、ほんとだよ、と彼女は少し不服そうに笑った後に、少しだけ涙を流したように見えた。
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ぽる。(プロフ) - setuna7014さん» うあー!コメントありがとうございます!そう言ってもらえるなんて…本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2019年1月3日 10時) (レス) id: ea71c9b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
setuna7014(プロフ) - めちゃんこ好きです…もーなまら泣きそうです…評価せずにはいられなかったですー! (2019年1月3日 5時) (レス) id: 9c6758aed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年12月25日 3時