109話 フジ ページ21
私は、ギュッと手を握り締めて、自分の決断をもう1度、頭で理解する。…考えるも何も、私の原点はここだ、そう考えて、1番左にいるフジに駆け寄る。
A「やっぱりフジの隣にいたい」
フジにだけ聞こえるように囁いたつもりが、誰も何も発していなかったため静かな部屋には響いたように感じた。
キヨ「…こうなる、ってなんとなく分かってたのになあ、諦めきれねーわ」
長い沈黙を破ったのは予想通り、キヨくんだった。彼はこんなときでも、空気を悪くさせないように悔しそうにしながらも、笑っていた。
…みんなのことを考えているキヨくんもいつでも優しく笑ってくれるヒラくんも、中立的な立場で頼もしいこーすけさんも好きだ。だけど、やっぱり私にはフジしかいないんだ。
A「私が最初から、決めていれば、みんなに無駄な時間を過ごさせずに済んだのに、…ごめんなさい」
みんなはまた黙ってしまう。今度の沈黙を破ったのは私だった。
A「でも、幸せな夏休みでした」
フジ「…キヨもヒラも、諦めなくていい。俺も逆の立場だったら無理。Aの嫌がることだけはダメだけど、」
私が言った言葉に被せるようにフジは言った。…俺の自分勝手かも、というような表情を浮かべるフジだったが、ヒラくんもキヨくんも泣きそうな顔をしながらも、しっかり頷いてた。
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ぽる。(プロフ) - setuna7014さん» うあー!コメントありがとうございます!そう言ってもらえるなんて…本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2019年1月3日 10時) (レス) id: ea71c9b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
setuna7014(プロフ) - めちゃんこ好きです…もーなまら泣きそうです…評価せずにはいられなかったですー! (2019年1月3日 5時) (レス) id: 9c6758aed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年12月25日 3時