109話 キヨ ページ17
私はキヨくんの方を見て微笑む。すると、キヨくんは驚いたようにキョロキョロと頭を動かす。
A「キヨくん…が、好きです」
そう言うと、普段は騒がしく喜ぶのに、静かに、噛み締めるみたいに静かに、喜んだ。両手を広げてこっちを見てくるので私は更に数歩近付いて、キヨくんの元に行く。
するとふわっと優しく抱きとめられてびっくりしてしまう。
キヨ「俺でいいの?」
真剣なトーンでそう言うから、思わず笑ってしまう。デートのときも、今日1日も、急に手を握り始めたり、あんなに元気で自信満々そうに見えたのに。
A「…キヨくんが、いいの」
キヨくんから離れてそう微笑むと、彼も柔らかい笑みを浮かべてくれた。
キヨ「俺さ、フジとヒラの分もちゃんっと、Aちゃんに愛注ぐから、安心しろよ」
フジ「…そ、うだな」
キヨが言ったことに赤面していると、フジは震え声でそう言った。ヒラは顔を背けて、肩を震わせているが、うんうんと頷いた。
…愛されてる、ってこういうことなんだろうな。
私が、じゃなくて、キヨが。自分を差し置いて…その、自分で言うのもあれだけど、好きな人と結ばれたわけなのに、喧嘩になったりせずに、ちゃんと受け入れてもらえる、ってすごいなあ。
A「みんな、ありがとう」
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ぽる。(プロフ) - setuna7014さん» うあー!コメントありがとうございます!そう言ってもらえるなんて…本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2019年1月3日 10時) (レス) id: ea71c9b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
setuna7014(プロフ) - めちゃんこ好きです…もーなまら泣きそうです…評価せずにはいられなかったですー! (2019年1月3日 5時) (レス) id: 9c6758aed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年12月25日 3時