10話 ページ10
フジside
…Aが好き、そう気付くまでにかなりの時間がかかったが、結構前から好きだったのだと思う。昨日、ヒラに言われてやっと気付くことができた。
A「あ!フジ!おはよー!」
家を出たときに、そう声をかけてくれる。最初は小っ恥ずかしく思ったが、お互い寝坊しなければだいたい一緒に行く雰囲気になっていて、ほぼ毎日挨拶を交わすわけだが、なんか、こう、特別な感情を持ってしまうと、なぜか、普通に接することが億劫になる。
いつも教室に来てくれるA。いつもはキヨと話してるな〜って思って最近ちょっともやもやしつつも、ヒラとこーすけと3人で話して誤魔化すことが出来たのだが、意識してしまうとなんだかそれまで難しくなる。
…キヨとA、楽しそうだな。今まで考えたことなかったけどキヨはAのこと相当気に入ってるみたいだし、Aもキヨと話していてよく笑顔を見せている。
もしかして、俺、入るスキない?
そう焦ってると通知音が聞こえてスマホを覗く。…俺がチラチラあっちを見てるからヒラが気にしてくれたようだ。
ヒラ『行ってみていいと思う』
フジ「ありがとな、行ってくるわ」
そう口頭で答えると、こーすけは不思議そうな顔をしたが、ヒラはにこやかに送り出してくれた。心の中で感謝をして、2人が仲良く話しているところに勇気を持って歩き出す。
90人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時