49話 ページ49
こーすけside
俺も確信はなかった。けど、3人を見るヒラの表情を見ていたら、余計かもしれないと思いつつも口にしないわけにいかなかった。
俺がもしヒラの立場にあったらフジになるのかキヨになるのか、見届ける勇気はないだろう。どちらにしても自分は報われない、自分以外の男で悩んでいる好きな人、決まった後はどちらかの横で笑う好きな人を見なければいけない、どこをとっても無理すぎる。
ヒラは俯いたままだし、Aちゃんは緊張した顔、というかヒラの告白紛いにまだ少し戸惑っているようにも見えた。フジとキヨは自分のことで精一杯なはずなのに、ヒラを尊敬にも似た目で見つめた後、Aちゃんに向き直った。
A「…え、っと、」
ヒラ「空気壊してごめん、Aちゃんはフジかキヨ、好きな方を選べばいいだけだよ」
ヒラは微笑んでいるように見えたが、たぶんフジかキヨを選べなんて言うのが辛くないわけない。いろいろな感情を押し殺してこの場にいるはずだ。
キヨ「…はは、すぐにとは言わねーよ。まあすぐ俺を選んでくれたら嬉しいことこの上ないけどよ、後悔しない方選んでくれればいーから」
そう笑って雰囲気を柔らかくするキヨ。
フジ「とは言っても難しいよね、なんか出来ないかな」
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時