45話 ページ45
A「ほ…んとは、はっきりしてない気持ちを本人に伝えるなんて無理だからヒラくんとこーすけさんに相談して…たんだけど、」
必死に言葉を紡ぎつつ、度々詰まるAちゃんをみんな見つめていたが、咎めるような冷たい視線を送っている奴はいなくて、フジはもちろん、こーすけもヒラも相当彼女のことを気に入っているらしいことがわかる。
A「…フジ、」
フジside
だいたいの道筋をヒラとこーすけが話し、Aが自分の気持ちを語り出す。俺の名前が呼ばれ、少し緊張する。
A「…気持ち悪いって思われるかもしれないけど、フジがずっと好き。告白されても、好きな人がいるからって断り続けたよ、フジのこと追いかけてこの高校受けたよ。…昔から、好きだった。幼馴染みだとしか思われていないと思ってたからさっきも好きって言われて戸惑っちゃったけど、すごくすごく嬉しかった」
…トクン、と胸が強く鳴ったのを感じた。好きだ。俺だって気付いていなかっただけでずっと好きだった。いつも執拗いくらい構ってくる可愛い幼馴染み、なんてそんな気持ちだけじゃなかった。
俺の高校を受けるって聞いたときのあの気持ちも、受かって自分のことのように喜んだときも、きっとしっかり気付いてなかっただけで、…好きって想いからきてたんだろう、今はそう思う。
…なんでもっと早く、向き合わなかった?
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時