42話 ページ42
フジ「それって…え…!?」
困惑しているようだ。そりゃあそうだろう、自分のことをずっと好きだった、という告白だけでなく、好きだったけど、キヨにもなびきかけている、という部分も含まれているのだから。
ただ単に喜ぶのも違う、けど好きだったのは嬉しい、でもキヨに…混乱せざるを得ない。
A「こんな中途半端な気持ち、伝えるのもどうかと思ってたんだけど…ね」
彼女の表情もまた、複雑であった。こーすけは苦い顔をしてただ俯いていた。俺は、何が出来るだろう。
フジ「…俺も、ずっと、Aが」
フジは言い淀んでいるが、俺がフジの立場であってもこうなってしまうのだろうか。俺だったら、ちゃんと想いを伝えられるはず…、いや、嘘だろう。本当にあの立場にあったら無理だ。
フジ「好きだ」
…言った。お前はすごいやつだ。
フジside
言うべきが迷った。キヨを呼んで話した方がいいんじゃないか、とも思った。けど俺の気持ちはどうしたって変わらない。伝えておくべきだと感じた。
A「…えっ」
Aは自分が言ったときは凛としていたのに俺が伝えたとなると、驚いたような申し訳なさそうな表情を浮かべる。
フジ「…キヨ、呼んで話した方がいいかも」
そう言うとヒラは笑って頷いた。やけに深刻そうな顔をしているのを見て笑ったのだろう。そんな深刻な話でもないからな、俺らにとって大切ではあるけど。
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時