41話 ページ41
ヒラ「…俺の不注意で、さっきフジにしたような話、キヨにバレてるんだ…ほんとにごめん」
フジとAちゃんは驚いた顔をする。
フジ「じゃ、じゃあ最近妙に距離が近いのもAの気持ちを知ってのこと…?」
俺が頷くと、フジは悔しそうに笑った。Aちゃんは顔を赤く染めたり、動揺したり、悲しそうな顔をしたりと、コロコロと表情を変えている。しかし、喋る人はいなかった。
A「…フジ、ずっと好きだった人誰だと思う?」
沈黙を破ったのは彼女だった。彼女がなんの意図で聞いたのかはわからないけど、こーすけも俺も黙って見てた。フジは考え込んでいる。
フジ「…ヒラ?」
…そこで俺の名前が出るのか。これでAちゃんに全否定とかされたら俺立ち直れないんだけど。
A「ヒラくんは好きだけど、違う」
嬉しい顔しちゃダメだ、俺。そういう意味じゃない、彼女も違うって言ってるだろ。…でも俺は、Aちゃんに嫌われていないというだけで嬉しかった。
A「フジだよ」
フジの目をしっかりと見てそう告げる彼女。そしてそれを受けて喜んだような、驚いたような、この間のキヨと同じ複雑な表情を浮かべるフジ。
…そろそろ、決まるのかな。
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時