31話 ページ31
キヨside
平静を装ったつもりだったが、内心嬉しかった。そんな言葉で表していいものかわからないくらい、心が満たされた。…とは言え、フジが好きであったわけで、今も俺のことが好きなわけではない。今日の下校時は引かれない程度に攻めていこう。
A「…うあぁ皆さんごめんなさい!私から誘ったのに10分も待たせてしまって!」
申し訳なさそうな顔をして頭を下げるAちゃん。俺は早速、行動にでる。
A「…えっ」
そう彼女が驚いた声を上げたのは、俺がAちゃんの頭に手を置いたからだ。びっくりして頭をあげる彼女と目が合った。俺が笑いかけると、Aちゃんも戸惑いながら優しい笑顔を浮かべてくれた。
フジ「…帰ろ」
フジが少し低めの声でそう言い、俺らは歩き出した。いつも以上にAちゃんに積極的に声をかけた。フジの睨んだような怖い視線やヒラとこーすけの呆れたような冷たい視線を感じることもあったが、彼女と笑えていたらそれでよかった。
フジ「Aってクラスでどんな感じなの?」
A「んー、普通だよ、今とかと同じテンションでいろんな人と話すし」
俺とフジに挟まれて笑っているAちゃん。俺の横にはこーすけ、フジの横にはヒラって感じ。フジは俺のAちゃんへのアプローチ(?)をなんとも思っていないような顔をして彼女に話しかける。
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時