29話 ページ29
フジside
まだ負けてなんかない。別に人にLINEを見られて恥ずかしいっていう感情であって、抱き着かれたとかじゃないかもしれないし、そういった感情がなかったとしても抱き着かれたから照れているだけかもしれない。
フジ「…送信取り消しって何送ったの?」
その質問をするとAは更に顔を赤くする。…大丈夫、別に。負けてなんかない。
A「い…いやいや、そんな、そんなもったいぶる内容じゃないです!ただ勝手に入ってごめんなさいとかそういうのが長文になっちゃってキモいから消しただけで!」
そう饒舌に唇を触りながら言う彼女。…それが嘘をつくときの癖だって、気付いていないんだろうな。でもここで問い詰めてもしキヨに都合の良い返事だったら嫌なので笑って受け入れるフリをする。
A「今日さ、みんなで帰りませんか?」
俺とキヨに対して喋るときはタメ口と敬語が混ざってそれすらもなんだか可愛らしい。…いつもは俺と2人か、ヒラと俺と3人か、同級生の子と帰っているので、そこではキヨに邪魔されずに距離を縮められると思ったのだが、無理みたいだ。
キヨ「みんな?」
A「あぁ、あの!こーすけさんとヒラくんとフジとキヨさん!」
3人で帰るときはヒラとは家の方向的に途中で分かれて、2人で話す時間があるけれど、キヨだとそういうわけにもいかないだろう、家も近いことだし。
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時