28話 ページ28
キヨ「…え、なにこれAちゃん」
朝起きたときに時間を確認したくらいで、あまりきちんとチェックをしていなかったため、昨日の夜来ていたLINEに今気が付いた。送信取り消しって…なんだ、そう思ってフジと楽しそうに話しているところ申し訳ないけど、パッと画面を見せながら聞いてしまう。
A「あ!フジ…」
見ないで、って止めようとしたんだろうけど、フジのことを止めることは出来ていなかったみたいで、フジは画面に表示されたトークを読んで驚いた顔をしている。
フジ「…キヨの家行ったの?」
A「うん、でも風邪とかうつってな」
フジ「で、キヨに抱き着かれたの?」
そうか、トークを読むとそれさえも分かってしまうのか。フジは読み上げた内容をひとつひとつ確認するように俺達に問いかけた。Aちゃんは聞かれて顔を赤くしてしまうし、俺も少し、いや相当、小っ恥ずかしい。
キヨ「…Aちゃんめっちゃ顔赤いじゃん、これは俺勝ったんじゃね?」
そう彼女に聞こえないようにフジに向かって言う。するとフジはキッと俺のことを睨んだかと思えば、すぐに顔から力が抜けた。
フジ「勝ちも負けもないだろ」
キヨ「…え?」
あれ、こいつAちゃんのこと好きで俺のことを敵として見てたように思ってたけど、俺の勘違い?
フジ「…Aの口からハッキリ聞かない限りは、ね」
そうニヤけた笑みを見せてきた。
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時