21話 ページ21
Aside(20話のAさん目線です)
フジには止められたけど、私が風邪をひかせたも同然のこの状況、お見舞いに行かないわけにいかなかった。昨日帰ったときに大体の場所は分かったので表札を見ながら探すと見つかった。
インターホンを鳴らすが、誰も出てこない。熱で倒れてたりしてるんじゃ…!?そう心配になって、ドアノブを回すと、なんてことなく開いてしまったので一応小さな声でお邪魔します、と告げて入っていく。
キヨさんの部屋らしき場所を探し当てると、キヨさんはベッドの上で寝てしまっていた。…顔が赤くてなんだか辛そうだ。
A「…大丈夫ですか?」
起こさないようにひっそりとそう聞くと、目をふっと開けた。起こしてしまったのかと不安になったが、なんだか寝ぼけているようだった。
キヨ「大丈夫だよ、A」
呼び捨てにされてドキッとさせられたかと思えば手が伸びてきていて、指で髪を梳かれる。私は困惑しつつも、ドキドキがおさまらなくて、今日ヒラくんとこーすけさんと話していたことも少し思い出していたら熱が顔に集中してきたことがわかった。
髪を通っていた指が頬をすべり、頬をつつかれて顔がつい強ばってしまう。今日のキヨさん、熱に浮かされているのか寝ぼけているのかわからないけど、なんだか変だ。
キヨ「…可愛いな」
普段より少し上機嫌なのか、柔らかい笑い方をしてそう言われる。…反則、反則ですよ。
90人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時