11話 ページ11
フジ「何の話ー?」
キヨ「なんだよー、楽しくAちゃんと愛を育んでるんだから入ってくんなよー」
A「何言ってるんですか」
愛を育んでる、それが冗談だとわかっていても、Aがそれを即座に否定するのを見ても、逆に距離の近さというか仲の良さというか、そういうものが見えた気がして、逆に心を締め付ける。
フジ「俺にも構えよー、ヒラに追い出された」
そう嘘をつきつつ、ナチュラルに会話に混ざろうと思った。
A「フジやっぱ友達いないんじゃ…」
キヨ「毎日2階に来て俺と喋ってるAちゃんには言われたくないと思う」
…こいつ、わざとだ。この顔は人の小馬鹿にしてるときのニヤけ方。こいつ、俺がAと話したくて来てるのわかってて、もしかしたら好きなのすら見透かしていて、わざと関係をアピールしてきている。クソムカつく。
A「私は友達いないんじゃなくてフジと話したくて来てるんですー」
不覚にも、その言葉にドキッとした。キヨと話したくてきてるんだと思っていたから、驚きもした。俺と話したくてわざわざ毎日2階に来てくれている、そう思うと脈ないわけじゃないのでは?なんて勘違いをしそうになってしまう。キヨはちょっと悔しそうな顔をしてるし、ちょっと優越感というか、なんか嬉しい。
フジ「キヨ、残念だったな」
そう、Aちゃんに対しての感情とか妬みとかいろいろ含めた言葉をただただ純粋に馬鹿にしているように吐いた。
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作者名:ぽる。 | 作成日時:2018年10月21日 18時