1話 ページ1
フジside
高校2年、4月。
キヨ「…またお前らと同じクラスかー」
ヒラ「よろしくー」
こーすけ「おーう」
フジ「俺ちょっと外行ってくるわ」
俺達が2年生に上がったということはひとつ年下の幼馴染みが入学してくるということだ。兄妹のように仲良くしてきた可愛らしくて話しやすい女の子。本当はもう少し上の高校目指せるだけの頭はあったはずなんだけど、俺と一緒の学校に行くって聞かなくて、無事に合格して、来れることになった。正直、俺の高校生活の一部にAが加わることは本当に嬉しくて、楽しみにしていた。
フジ「…お、A！」
A「わ！フジ！ここにいていいの？」
フジ「ちょっと抜けてきた、まだHR始まんないし大丈夫」
俺を見つけた瞬間、嬉しそうに笑うAはやっぱり可愛らしくて。そこに何かしらの感情があるわけじゃないけど、客観的に見ていい子だと思う。何度か誰かしらに告白されたって相談に乗ったことはあるけど、だからと言って誰とも付き合うこともなかった。なんでかは聞けていない。
A「やっぱ一緒に来ればよかったね、ここに来てくれるなら」
フジ「いやー、なんか小っ恥ずかしいじゃん」
A「えっ…ん、フジ友達いないし大丈夫でしょ」
なぜか少し言葉に詰まる様子を見せる彼女を不思議に感じたが、失礼なことを言われたのでいつも通りだと思うことにした。その後、くだらない話をして、お互い教室に向かった。俺は部活にも入ってないし、よく考えればAと高校で過ごす時間なんてないのかもしれないけど、なんとなくワクワクする。
ヒラ「何しに行ってたの？」
フジ「あぁ、ほら…幼馴染み」
ヒラはAのことを知っている。2人ともふわふわとした笑顔で人を罵ってくるタイプの人間だ。3人でいる時間、すっごく楽しいし、みんなリラックスできる。…今思えばキヨとこーすけは面識ないんだな。
キヨ「ふーん、フジの幼馴染みとか聞いたことなかったわ」
フジ「まあ、迷惑かけるかもしれないけど悪いやつじゃないから、よかったら仲良くしてやってよ」
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作者名：ぽる。 | 作成日時：2018年10月21日 18時
