ハイキュー恋愛短編集 part4

山口忠と。2 ページ30

桜乃「山口くんって欲無さそうだよね〜」

隣の席の山口くんは優しくてなんかこう…パッと見冴えない感じの男の子です。でもスポーツマンだし、何気に身長も高いので地味に人気があります。

欲が無さそう、それは思ったことをそのまま濁らせずに口から出しただけだった。食欲も無さそう、性 欲も無さそう、物欲も無さそう！

山口「…え？俺？そんなことないよ」

優しい苦笑いを浮かべつつ山口くんは何やら考え始めた。…自分にどんな欲があるかだろうか。本当に淡白な感じがして、一周まわって心配になる。自分を押し込めてたりするのかもな〜とか。

山口「やっぱり俺、結構欲だらけかも」

山口くんらしくないイヒヒといった感じのイジワルそうな笑みを浮かべる。…なんか可愛らしく思えて、優しい彼のそんな表情に驚きつつも惹かれてしまう。

山口「…ほら、独占欲とか？」
桜乃「えっ」

山口くんって独占欲強いの…？意外すぎる告白に私は戸惑った。けれど山口くんは あっちがうよ とすぐ手と首を横に振った。

山口「そんな…束縛とかそういうんじゃなくて…好きな子がほかの男子と話してたらモヤモヤするな〜とか、その程度！」

…山口くんって好きな子いるんだ なんて私が素直に口に出すと山口くんは少し頬を染めて考えだした。

山口「…好きな子って、…桜乃さんのことだけど…」

顔を真っ赤にさせた山口くんが口を開いて出た言葉はとても綺麗で尊くて、私の鼓動を速くさせた。

end

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