翔んで流星街！【H×H】 (ページ40)

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翔んで39話ページ40

「あ…やっぱゴメン……さっき言ったこと…痛っ！いきなり何すんだよ？！」

『全然力入ってないから痛いわけないでしょ！あっれぇー？泣いてる？？』

「はあ？！泣いてねーし！！バーカ！！」

お返しのデコピンをしようと突撃してくるキルア君をそのまま抱きしめる。

……ちょっと腕と肋骨が痛いけど我慢。

「おい何やってんだよ！離せ！！」

『友達なんだから黙ってそのままでいなさいって。』

「！！今、なんて……」

『さあね～二度は言わない主義だから。……今までよく頑張ったね、えらいえらい。』

「A……！！！オレ……！！！」

抱きしめながらそっと頭を撫でてあげると、堰を切ったようにキルア君は泣き出した。

ずっと寂しくて辛い思いをしてきたんだと、震える背中が物語っている。

『何があっても、私はキルア君の味方だから。ずっと傍にいるから。』

「ゔん……！」

フェンリルもつられて目がウルウルしている。

2人してフェンリルにくっついて、お互いのことを色々喋った。

私は別の世界から来たこと

キルア君は暗殺家業を継ぐ気はないということ

…たくさん喋った。まるで同年代の友達みたいに。

「あのさぁ、"キルア君"って呼び方やめてよ。なんかよそよそしい感じするからさ。これからは＂キル＂で。」

『キルか……うん！キル、これから改めてよろしくね！』

「おうよ！」

お互いの拳をコツンとぶつけ合う。

「あー、いたいた。ほら見てみなよ、ちゃんと生きてるだろ。………キル、お前なにやってんの？」

「A？！しかもその怪我………おい、聞いてたのと全然違うじゃねぇかコラァ…。」

『「！！！」』

突然の爆音と爆風で、現状を思い出した。

そしてこれは……物凄くタイミングが悪い。

というか、この部屋は頑丈なんじゃなかったのか…？
今の感じだとこの部屋は豆腐で出来ているんじゃと錯覚してしまう。

「あ、兄貴………。」

『ひ、久しぶりだねウヴォー……！色々事情があって、その…ねぇ？』

イルミさんが物凄い形相でこっちに向かってくる。

めっちゃ怒ってる…拳をコツンしてる最中だったもんね…。

「A、キルに変なこと吹きこんだでしょ？そういうの困るんだよねぇ。“よそはよそ、うちはうち”って言葉知ってる？」

『別に変なことなんか言ってない、変なこと吹きこんでるのはイルミさんの方じゃないんですか？』

その瞬間、一気に場の空気が変わるのを感じた。