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翔んで31話 ページ32

『短い間でしたけどお世話になりました。』


「なりました。」



私がお礼を言えば、フェンリルも同じようにお礼を言ってペコリと頭を下げた。

結局ゼブロさん達のところには4週間ほど滞在して、2の扉を何とか開けられるまでにはなった。

フェンリルの頭をひとしきり撫でてからゼブロさんは私にニコリと笑みを向けた。



「こちらこそありがとう、我々にとってもいい刺激になった。Aちゃんが無事にゾルディック家の人に会えるように、君のおじいさんに関する情報が少しでも多く得られるように、心から祈っているよ。さあ二人とも、気を付けて行っておいで。」



ゼブロさん達と別れた後、早速試しの門から入ってみるとそこにミケはいなかった。



「みけ、いないねぇ。」


『ほんとだね。ずっと門のそばにいるわけじゃないのかな?』


「出迎えがミケじゃなくてごめんね。」


『!!誰っ…ゔぅっっ!!!』



一瞬の出来事だった。誰かと問う前に思いっきり体を吹っ飛ばされた。


吹っ飛ぶ体は自分でも全く制御できず、生い茂る木々を何本かなぎ倒してやっと止まった。



『っ……肋骨、絶対折れた…。痛ッ…。』



肋骨だけじゃない。左頬もものすごく痛い。多分顔を殴られるか蹴られるかしてそのまま吹き飛んだんだ。

そうだ、フェンリル、フェンリルは?無事なの??


痛む身体をヨロヨロと起こそうとすると、僅かに視界の右端から何かが迫っていることに気づいた。



『いきなり、何で……!ぐぁッッ!!』


「へえー、これはわかったんだ。すごいね。」



咄嗟に顔の前で両腕をクロスさせて衝撃を和らげようとしたけれど、むしろ逆効果だった。



『(両腕とも逝ってるなこれ…)』



人の身体ってこんなに吹き飛ぶものだっけ?
また、木々をなぎ倒しながら吹き飛んでいく。

一瞬のうちに全身はボロボロ。痛みの臨界点はすでに超えたようで、もう何も感じなくなっていた。


どうも頭を打ち付けたらしく、薄れ行く意識の中で見えたのは風になびく黒い長髪。



「侵入……のに…………この………ない………………」



何か喋ってる…?

わからない、よく聞こえない…。



何も……聞こえない………。

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アクセルレオン(プロフ) - 最推しはクラピカさん» コメントありがとうございます!頑張っていきます!\(°∀° )/ (2019年12月15日 18時) (レス) id: 801251ddb0 (このIDを非表示/違反報告)
最推しはクラピカ - キルアだーーーー!!!!!!続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年12月15日 17時) (レス) id: 777e396279 (このIDを非表示/違反報告)
アクセルレオン(プロフ) - あっかりーんさん» ウヴォーかっこいい(*´з`) (2019年3月8日 19時) (レス) id: 3a66886e27 (このIDを非表示/違反報告)
あっかりーん(プロフ) - ビ ッ ク バ ン き た ( ^ q ^ ) ! (2019年3月8日 17時) (レス) id: 32a67d59b8 (このIDを非表示/違反報告)
アクセルレオン(プロフ) - あっかりーんさん» 頑張りまっす! (2019年3月4日 21時) (レス) id: 3a66886e27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アクセルレオン | 作成日時:2019年3月4日 0時

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